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自然の摂理から生まれた学問である日本古学を「清風道人(せいふうどうじん)」が現代と未来に伝えていきます。
日本古学から学ぶ「自然の摂理」と「日本古来の精神」が次の豊かで健やかな世界を創るヒントとなることを願って。
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#00610 2019.8.22
生類の霊異(43) -蛇(解説)-
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人によっては、蛇は愛すべき動物であるやうに云ふ者がある。又、田舎によると、蛇でも捕ると大に怒鳴る農夫があるが、これは蛇は鼠や苗代田を荒し廻る蛙を食ふので益虫であるとの見解から来たことである。 又、動物学者は、蛇は古来人間の誤解や迫害を受けて居る不幸な動物であるやうに云って居るが、これも又蛇に対して誤解を有してゐる人間である。無害の蛇を飼養し
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#00608 2019.8.10
生類の霊異(41) -外道(事例・中)-
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<遊動する気瘤> 狐狸や外道の憑いたと見做される人の上躯、殊に突然手に蜜柑(みかん)大の気瘤(こぶ)が発生して、不随意的に各所へ移動することは昔から認められて居り、昔の人はこれを憑物の本体と信じ、現代の医学にてはヒステリー症患者固有の病的現象であって、主に血行の不良による瓦斯(ガス)の停滞などであるやうに説いてあるが、果して何れが正しいか。
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#00607 2019.8.4
生類の霊異(40) -外道(事例・上)-
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<外道の忍術> 石見国大田町の東北部の農・三河屋は有名な犬神持ちで、家の横の空地に数株の夏橙(なつみかん)を有し、毎年の結実が甚だ多い。 然るに道路境に垣を設けぬ為、橙実は人に偸(ぬす)まれる筈なのに、一顆(ひとつぶ)も偸まれぬ。もし誰にても偸む者あらば、直ちに憑かれて難儀をする。以前には二、三名憑かれて死んだ者もあったと云ふ程にて、同家
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#00606 2019.7.29
生類の霊異(39) -外道(トウビョウ及び蛭神)-
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明治三十年頃、石見国大田町なる南八幡社の石崎社司が、境内の裏手にある石宮の台石が腐触したので、氏子の田原嘉惣兵衛なる石工を傭うて、台石の修繕をさせることにした。 その日、嘉惣兵衛は道具を携帯して八幡社へ行き、何気なく右の石造の小祠の石の扉を開けたところ、五、六寸ばかりの淡黒い首玉入りの小蛇が数百疋塊団をして居たのが、扉の開くと共に一斉に嘉惣
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#00605 2019.7.23
生類の霊異(38) -外道(解説)-
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外道(げどう)なるものは動物にして、自己を愛養する家には福利を与へ、自己の好まざる人には病気を与へ、或は物資の損害行為を投ずるなど、一種の妖魔的能力を有するものゝ総称で、東海道、又は関東に云ふクダ狐、尾サキ狐(石見ではこれを犬神と云ひ、出雲伯耆にて人狐と称するは、この小型の狐の一種である)、大阪地方の豆狸、中国九州方面の妖蛇群のトウビョウ、中
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#00604 2019.7.17
生類の霊異(37) -狸及び貂(古人の記述・下)-
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文化年間、江戸の大関力士の緋威(ひおどし)が、或る時、平戸候・松浦静山の抱(かかえ)力士の錦に紹介されて静山を訪問し、四方山噺(よもやまばなし)の中に、緋威の郷里なる安芸国の有名な化狸の事実を語ったところ、余りに奇怪なので静山が信じなかったら、錦が「その狸のことは自分も知って居る、全く事実である」と保証をしたので、静山は初めてその狸の話を記録
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#00603 2019.7.11
生類の霊異(36) -狸及び貂(古人の記述・上)-
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今から約百年あまり昔のこと、肥前国平戸在なる下方の庄屋の許(もと)に、或る日、平戸藩より派遣居住の郡代の牧山権右衛門と云ふが妻子同伴で来て、座敷で蕎麦の馳走に逢うて居た。これはかねて庄屋から「自分の家へお越しなさい、蕎麦を差上げる」と云ふことだったから、それに応じてこの日にやって来たのであった。
ところが、この折りに庄屋の下男(げなん)
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#00602 2019.7.5
生類の霊異(35) -狸及び貂(その他の事例)-
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<透視能力> 一昨年の秋、摂津国豊能(とよの)郡の奥の丹波境の枳根荘(きねしょう)村の小学校で聴いたのは、同校の分教場が約一里の大字天王にあって、夜分には狸がよく出る。 教員が宿直室にて就褥(しゅうじょく)すると、廊下の方からスットコトンと決まり切った足拍子可笑しくやって来て、宿直室の隣の教場を同じ足音で廻り歩くから、宿直員が姿を見てやら
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#00601 2019.6.29
生類の霊異(34) -狸及び貂(化狸の事例)-
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豊後国日田町には、明治初年に有名な老狸があって、同地の老大家の五岳先生に化けて他(ひと)を訪問するのが十八番芸であるが、この狸が化けるのはこの事ばかりで、その他のものには一度も化けたことがない。而して又、彼は風流韻事の席へのみ化け、五岳となって現れるのだから、土地の人はこれに風流狸の綽名(あだな)を与へて居た。
詩人・墨客(ぼっかく)が
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