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#00628 2019.12.9
霊魂と肉体(6) -霊魂の種子-
 
 
 我等人間の肉体は水・土の質の二種より成りて居るものにて、太陰即ち月球に属するもの、また霊魂は風・火の性の二種にて成りたるものにて太陽即ち日球に属するものである事は前回の御話にて大要解った事であらうと思ひます。 #0624【霊魂と肉体(2) -五元-】>> #0625【霊魂と肉体(3) -日と火と霊-】>> #0626【霊魂と肉体(4) -月と肉体-】>>
 然るにこの肉体は如何にして生れたるか、またこの霊魂は何時我が肉体に宿りたるか、この事を明らかにすることは、この研究に最も必要の点であります。これよりその御話を致しませう。

 抑々(そもそも)我等人間の今日あるは偶然に出来たものではありませぬ。御承知の通り父母ありて、その父母より生れ出でたるものなる事は今更申すまでもありませぬが、その父母もまた父母ありて、かくの如く段々遡りて、父母の父母、またその父母の父母とその大元祖を尋ぬれば、いずくの誰より始まったものでありませうか。まずこれを知るが第一であります。
 何故かと申すと、その本(もと)が分らずして末の知らるゝ道理は無いからであります。然らばその元祖は誰であるかと申さば、これは即答が出来ます。即ち男の元祖は伊邪那岐命、女の元祖は伊邪那美命で在らせられ、世界の人類は全くこの二柱の神より始まりたるものであります。 #0194【神道講話(1) -人間に与えられた天命-】>>

 然るに世の始めの時、この人間万物の始祖と坐します伊邪那岐命・伊邪那美命陰陽二柱の大神が天神よりこの漂蕩(ただよ)へる国を修理固成(つくりかためなせ)と申す神勅を御受けなされて、自凝島(おのころしま)といふ島に天降り在らせられ、この島に八尋殿(やひろどの)と申す御殿を御建て成され、共にその殿に御住みなされて夫婦の道を御始めになりました。 #0473【扶桑皇典(3) -天地開闢・上-】>>

 これが世界人類の繁殖する始めにて、この世界の一切の物も事もこの二柱の神より始まらざるはありませぬ。そこで我々人間のこの世界に生れ出るも、固(もと)よりこの二柱の神の御始め在らせられし夫婦の道に因りての事とは申すまでもありませぬが、さて天神はその夫婦の道によりて如何にして我々人間に肉体と霊魂とを賦与せらるゝかと申さば、即ち夫婦がその夫婦の道を行ふ時に当りて賦与せらるゝと見えます。 #0217【神道宇宙観略説(8) -人霊人魂について-】>>

 然らばその時如何にして賦与せらるゝかと申さむに、それは今更申すまでもなく一点の霊光即ち霊魂の種子を賦与せらるゝのであります。固より夫婦の道を行ふ時は、婦女即ち母の胎内にその胎児の肉体の種子に成るべきものは具はりて居りますれど、神よりその霊魂の種子たる一点の霊光を賦与せられざれば妊娠のしようがありませぬ。
 故に世間には、子の欲しき夫婦が年久しく夫婦の道を如何に行ひても、更に妊娠する事無き者がいくらあるかも知れませぬが、これは神よりこの一点の霊光即ち霊魂の種子を賦与せられざる故と心得べきであります。 #0494【扶桑皇典(24) -人身・上-】>>

 またこれと反対に、夫婦が夫婦の道を行ひてその交感の結果、婦女の胎内に肉体の種子に成るべきものゝ具はりたる所へ、神より一点の霊光即ち霊魂の種子を賦与せらるゝ時は、こゝに忽ちこの一点の霊光がその婦女の胎内なる肉体の種子に成るべきものゝ中に宿り、即ち子宮中に位を占めて、こゝに初めて妊娠と成り、その子宮中に蓄へられたる血にて温養せられ、十周月即ち二百七十五日余の時間中に完全なる胎児と成りて生れ出るものなる事は既に申し述べたる通りであります。

 然るにこゝに最も弁じ置かざるを得ざる事があります。それは、この賦与になる一点の霊光と申すものが、即ちこの宇宙に充ち満ちたる大神霊(おおみたま)の一微分子を賦与し賜るものでありますから、これ神霊の一部なるを以て霊魂の名もこの事実より呼ばるゝ事となったものであります。 #0623【霊魂と肉体(1) -タマシヒの字義-】>>
 因みに申しますが、上の方より下の者へ何にても下げ与へ遣はさるゝをタマハルと申し、またその下げ与へられた物をばタマモノと申しますが、このタマハル、タマモノまたタマフ等申す言(ことば)は何より起こったかと申すに、これは正しくこの大元の大神がその神霊を分けて次々の天神等に授けられ、数多(あまた)の神等(かみたち)を生(な)し給へるが、抑々上の方より下の方へ物を与へ授けらるゝ事の始まりでありますから、その神霊をタマハリたる事実がこの言の起こりとなり、それより延いて上の方の為さるゝ事をかくしタマフとか然(しか)しタマフ等申す敬ひ言ともなったものであります。

 人の霊魂と宇宙の大神霊とは、その大小の差に於ては固より比較の出来る訳のものではありませねど、その性に於ては全く同物に違ひありませぬ故、大神霊のミタマに具はりてあるだけの妙用は人の霊魂にも具りて居ります。この事はこゝにて委しく申しては話が混じて解り難いかも知れませぬので、更に別に申し述ぶる事に致しませう。
 猶またこの一点の霊光即ち霊魂の種子と申すものは、固より無形のものではありますれど、空無のものではありませぬで、所謂(いわゆる)隠身(かくりみ)と申すべきものであります。その隠身の事は、神の御話の時に『老子道徳経』を引きて委しく申し述べました通り、大の字の象を具へて、首も手足もある即ち人形(じんけい)のものであります。

 そこで一点の霊光即ち霊魂の種子が矢張り大の字の象を具へて居りますを以て、その霊魂の象が肉体の形にも現るゝものでありますから、人間のみは霊魂も肉体も共に神の如く首も手足も具はりて大の字の形をして生れ来て居りますれど、他の動物即ち鳥獣魚虫よりあらゆる植物等に至るまで、これも又皆生きて老病死苦の理(ことわり)を具へ居る以上は皆この宇宙に充満し給ふところの神霊の一微分子を賜りて世間に生れ来て居るに違ひありませねば、これも又その霊は大の字の象を具へて居る事申すまでもなけれど、他のものは各々その形体が異なりて居る故、人間の如く神に似たる妙用を為す事が出来ませぬ。 #0249【『幽界物語』の研究(19) -神々のこと-】>> #0373【『異境備忘録』の研究(58) -龍神-】>>
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 されば人間と他の動植物との異なる所は、人間は霊魂も身体も神の通りに首も手足も具はりて大の字の象のまゝに生れ来て居りますれど、他のものはその霊は固より首手足を具へ大の字の形をして居る事申すまでもなけれど、その形体が全く異なりて居ります故、鳥の空中を飛び獣の険阻(けんそ)を走るが如き或る点に於ては人間の及ばざる特長も有しますけれど、その全体の活用に於てはとても人間の如き神に似たる妙用は出来るものではありませぬ。
 殊に人間の最も勝れたる活用の出来るは手であります。もし人間にして手の活用が無きものとすれば、鳥獣と何の撰ぶ所も無きものとなりませう。
 
 
 
清風道人
カテゴリ:霊魂と肉体
 

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