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#00193 2012.9.25
『古事記序文』解説(5)
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「伏して惟(おも)ふに、皇帝陛下、一を得て光宅(こうたく)し、三に通じて亭育(ていいく)したまふ。紫宸(ししん)に御(ぎょ)して徳は馬蹄(ばてい)の極むる所に被り、玄巵(げんし)に坐(ま)して化は船頭の逮(およ)ぶ所を照らしたまふ。日浮かびて喗(ひかり)を重ね、雲散りて烟(けむり)に非ず。柯(えだ)を連ね穂を幷(あわ)すの瑞史(しるし)、書する
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#00192 2012.9.19
『古事記序文』解説(4)
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「ここに天皇(すめらみこと)詔(の)りたまはく、「朕(われ)聞く、諸家の賷(も)てる帝記及び本辞、既に正実に違(たが)ひ、多く虚偽を加ふと。今の時に當(あ)たりてその失(あやまり)を改めずは、未だ幾年(いくとせ)を経ずしてその旨(むね)滅びなむとす。これ乃(すなわ)ち邦家の経緯、王化の鴻基(こうき)なり。かれ、これ帝記を撰録し、旧辞を討覈(とう
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#00191 2012.9.13
『古事記序文』解説(3)
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「飛鳥(あすか)の清原(きよみはら)の大宮に、大八洲(おおやしま)御(しろしめ)しし天皇(すめらみこと)の御世に曁(およ)びて、潜龍(せんりゅう)元を体し、洊雷(せんらい)期に応ず。夢の歌(みうた)を聞きて業(わざ)を纂(つ)がむことを想ひ、夜の水に投(いた)りて基(もとい)を承(う)けむことを知ろしめす。」
(現代語訳:清風道人) 「飛鳥
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#00190 2012.9.7
『古事記序文』解説(2)
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「これを以て、番仁岐命(ほのににぎのみこと)、初めて高千の嶺(みね)に降りたまひ、神倭天皇(かむやまとのすめらみこと)、秋津島に経歴し給ふ。」
(現代語訳:清風道人) 「これによって、皇孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)は初めて高千穂の嶺に天降り給い、その神孫である神武天皇は大和国(やまとのくに)にお入りになられました。」 (記事本文は |
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#00189 2012.9.1
『古事記序文』解説(1)
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「臣(おみ)安万侶(やすまろ)言(まお)さく、それ混元既に凝りて、気象未だ効(あらわ)れず。名も無く為(わざ)も無し。誰かその形を知らむ。然(しか)して乾坤(あめつち)分かるる初め、参神、造化の首(はじめ)を作(な)し、陰陽ここに開けて、二霊群品の祖(おや)と為りき。 所以(このゆえ)に、幽顕に出入りして、日月、目を洗ふに彰(あらわ)れ、海水
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#00188 2012.8.27
神倭伊波礼毘古命の誕生
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「この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこひこなぎきたけうがやふきあえずのみこと)、その姨(みおば)玉依毘売命(たまよりびめのみこと)に娶(みあい)まして生みませる御子の名(みな)は、五瀬命(いつせのみこと)、次に稲氷命(いなひのみこと)、次に御毛沼命(みけぬのみこと)、次に若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、またの名(みな)は豊御毛沼命
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#00187 2012.8.21
鵜葺草葺不合命の誕生
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「ここに豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)、その伺ひ見たまひし事を知らして、心(うら)恥づかしと以為(おもお)して、その御子を生み置きて白(まお)さく、「妾(あれ)、恒(つね)は海道(うみつぢ)を通して往来(かよ)はむと欲(おもお)しき。然(しか)れども吾(あ)が形を伺ひ見たまひしが、甚(いと)怍(は)づかしきこと」とまをして、即ち海坂(うなさ
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#00186 2012.8.15
海神の出産
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「ここに海神(わたつみのかみ)の女(みむすめ)豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)、自ら参出(まいで)て白(まお)したまはく、「妾(あれ)己(すで)に妊(はら)める身にて、今、産むべき時に臨(な)りぬ。此(こ)を念(おも)ふに天神(あまつかみ)の御子を海原にて生みまつるべきにあらず。かれ、産出到(まいでき)つ」とまをしたまひき。かれ、即ちその海辺
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#00185 2012.8.9
山幸彦、地上に還る
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「即ち悉(ことごと)に和邇魚(わに)どもを召(よ)び集めて問ひたまはく、「今、天津日高(あまつひこ)の御子、虚空津日高(そらつひこ)、上国(うわつくに)に幸出(さきいで)なむとす。誰(たれ)か幾日(いくひ)に送り奉りて覆奏(かえりごとまお)さむ」とのりたまひき。かれ、各(おのおの)己(おの)が身の寿長(ながさ)の随(まにま)に、日を限りて白(ま
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#00184 2012.8.3
山幸彦、神術を授かる
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「その綿津見大神(わたつみのおおかみ)誨(おし)へまつりけらく、「この鉤(つりばり)を、その兄(いろせ)に給はむ時に言(の)りたまはむ状(さま)は、『この鉤は、淤煩鉤(おぼぢ)、須須鉤(すすぢ)、貧鉤(まぢち)、宇流鉤(うるち)』と云ひて、後手(しりえて)に賜へ。然(しか)してその兄(いろせ)高田(あげた)を作らば、汝命(いましみこと)は下田(
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#00183 2012.7.28
山幸彦の嘆息
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「ここに海神(わたつみのかみ)、ここに到(き)ませる由(ゆえ)は奈何(いかに)とぞ」といひたまひき。かれ、その大神に備(つぶさ)にその兄(いろせ)の鉤(はり)を失(うせ)にし罰(はた)れる状(さま)を語りたまひき。」『古事記』
この伝は、『古事記』本文では前段の後、三年(みとせ)を経てからの伝となっていますが、そもそも火遠命(ほおりのみこ
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#00182 2012.7.22
山幸彦の海宮訪問
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「かれ、教へのまにまに行でますに、備(つぶさ)にその言(こと)の如くなりしかば、即ちその香木(かつら)に登りて坐(ま)しき。ここに海神(わたつみのかみ)の女(みむすめ)豊玉毘売(とよたまびめ)の従婢(まかたち)、玉器(たまもい)を持ちて水を酌(く)まむとする時、井に光(かげ)あり。仰ぎ見れば麗しき壮夫(おとこ)あり。甚(いと)異奇(あや)しと以
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#00181 2012.7.16
海幸彦と山幸彦
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「かれ、火照命(ほでりのみこと)は海佐知毘古(うみさちびこ)として、鰭(はた)の広物(ひろもの)、鰭(はた)の狭物(さもの)を取りたまひ、火遠理命(ほおりのみこと)は山佐知毘古(やまさちびこ)として、毛の麁物(あらもの)、毛の柔物(にこもの)を取りたまひき。ここに火遠理命、その兄(いろせ)火照命に「各(あたみ)に佐知(さち)を相易(かえ)て用ひ
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#00180 2012.7.10
火中の出産
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「かれ、後に木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)参出(まいで)て白(まお)したまはく、「妾(あれ)、妊身(はらめる)を、今、産(こう)むべき時に臨(な)りぬ。この天神(あまつかみ)の御子、私(わたくし)に産みまつるべきにあらず。故(かれ)、請(まお)す」とまをしたまひき。ここに詔(の)りたまはく、「佐久夜毘売、一宿(ひとよ)にや妊(はら)め
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#00179 2012.7.4
人寿が短縮された訳
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「ここに天津日高日子番能邇邇芸命(あまつひこひこほのににぎのみこと)、笠沙(かささ)の御前(みさき)に麗(かわよわ)き美人(おとめ)に遇(あ)へるに、「誰(た)が女(むすめ)ぞ」と問ひたまへば、答へ白(まお)したまはく、「大山津見神(おおやまつみのかみ)の女(むすめ)、名は神阿多都比売(かむあたつひめ)、またの名は木花之佐久夜毘売(このはなのさ
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#00178 2012.6.28
猿田彦神と天宇受売命の功業
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「かれ、ここに天宇受売命(あめのうずめのみこと)に詔(の)りたまはく、「この御前(みさき)に立ちて仕へ奉りし猿田毘古大神(さるたびこのおおかみ)をば、専(もは)ら顕(あらわ)し申せる汝(いまし)送り奉れ。またその神の御名は汝(いまし)負(お)ひて仕へ奉れ」とのりたまひき。ここを以て猿女君(さるめのきみ)等(ら)、その猿田毘古の男神の名を負ひて、
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#00176 2012.6.16
「天孫降臨」についての考え方
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天孫降臨の古伝の解釈について現代の学説では、「外国から人々が渡って来て日本を治めたことを表している」あるいは「国内で王朝の交代があった」などとされていますが、この古伝の解釈を誤ると日本の肇国(ちょうこく)に関する認識も大きく変わってきます。 このことについて、美甘政和(みかもまさとも)先生は著書『天地組織之原理』において次のように述べられて
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#00175 2012.6.10
神代第五期のはじまり
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「ここに詔(の)りたまはく、「此地(ここ)は韓国(からくに)に向かひ、笠沙(かささ)の御前(みさき)に真来(まき)通りて、朝日の直(ただ)刺す国、夕日の日照る国なり。かれ、此地(ここ)は甚(いと)吉(よ)き地(ところ)」と詔(の)りたまひて、底津石根(そこついわね)に宮柱ふとしり、高天原に氷掾(ひき)たかしりて坐(ま)しましき。」『古事記』
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#00174 2012.6.4
皇孫命、天降る
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「ここに日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)、天降りまさむとする時に、天(あめ)の八衢(やちまた)に居(い)て、上(かみ)は高天原を光(てら)し、下(しも)は葦原中国(あしはらのなかつくに)を光(てら)す神ここにあり。かれ、天照大御神・高木神(たかぎのかみ)の命(みこと)以(もち)て天宇受売神(あめのうずめのかみ)に詔(の)りたまはく、「
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#00173 2012.5.29
綾に畏き天津日嗣の御爾
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天津日嗣(あまつひつぎ、皇統)の御爾(みしるし)である三種(みくさ)の神器(かむたから)は、第十代崇神(すじん)天皇の御世(紀元前97~30年)までは天皇陛下と同じ御殿に斎(いつ)き祭られていましたが、御神示により、鏡と剣の二種は別所にて祭られることとなり、皇居神殿にはその御写(みうつし)が祭られることとなって現在に至っています。 |
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#00172 2012.5.23
三種の神器の霊的秘義
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三種(みくさ)の神器(かむたから)とは、八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)で、元は天照大御神の天石屋(あめのいわや)隠れの際に造られたものですが、皇孫降臨に当たり、天照大御神の神勅によって、天津日嗣(あまつひつぎ、皇統のこと)の御璽(みしるし)として邇邇芸命(ににぎのみこと)に授けられることに
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#00171 2012.5.17
天壌無窮の神勅下る
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「天照大神、皇孫(すめみまのみこと)に勅曰(のりたまわ)く、「葦原千五百秋之瑞穂国(あしはらのちいほあきのみずほのくに)は、吾(あ)が子(みこ)の孫(つぎつぎ)王(きみ)とますべき地(くに)なり。爾(いまし)皇孫(すめみま)就(いでまし)て治めませ。行矣(さきくませ)。宝祚(あまつひつぎ)の隆(さか)へまさむこと、天壌(あめつち)の與(むた)、
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#00170 2012.5.11
初代天皇命、定まる
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神代第四期の終盤において、大国主神が豊葦原之千秋長五百秋之水穂之国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに、地球のこと)を皇孫命(すめみまのみこと)に奉ることを了承し、幽界(かくりよ)の大神として幽府に入ることとなり、また地球上の荒振神(あらぶるかみ)も平定したことを、建御雷神(たけみかづちのかみ)が高天原にます高木神(たかぎのかみ、
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#00135 2011.10.25
地球上の幽顕の組織定まる
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「かれ、建御雷神(たけみかづちのかみ)返り参上(まいのぼ)りて、葦原中国(あしはらのなかつくに)を言(こと)向け和平(やわ)しぬる状(さま)を復奏(かえりごとまお)したまひき。」『古事記』
天津神の正使として天降った建御雷神(たけみかづちのかみ)は、大国主神が葦原中国(地球)を皇孫命(すめみまのみこと)に奉ることを了承して、幽界(かくりよ
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#00133 2011.10.15
事代主神及び建御名方神の帰順
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「かれ、ここに天鳥船神(あめのとりふねのかみ)を遣(つか)はして、八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)を微(め)し来て問ひ賜ふ時に、その父の大神に、「恐(かしこ)し、この国は天神(あまつかみ)の御子に立て奉りたまへ」と言ひて、即ちその船を踏み傾けて、天逆手(あまのさかて)を青柴垣(あおふしがき)に打ち成して隠りましき。」『古事記』
この
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#00132 2011.10.10
幽顕分政の神勅下る
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「ここに経津主神(ふつぬしのかみ)、すなはち還り昇りて報告(かえりごとまお)す。時に高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)、すなはち二神(ふたはしらのかみ)を還し遣(つか)はして、大己貴神(おおなむちのかみ)に勅(みことのり)して曰(いわ)く、「今、汝(いまし)が言(まお)すことを聞くに、深くその理(ことわり)有り。かれ、さらに条々(おちおち)にし
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#00131 2011.10.5
大国主神、神使を疑う
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「二神(ふたはしらのかみ)、出雲国(いずものくに)の五十田狭(いたさ)の小汀(おはま)に降到(あまくだ)りて、大己貴神(おおなむちのかみ)に問ひて曰(いわ)く、「汝(いまし)、将(まさ)にこの国を以(もち)て天神(あまつかみ)に奉らむや否(いな)や。」対(こた)へて曰(まお)さく、「疑はし、汝(いまし)二神(ふたはしらのかみ)は、これ吾(あ)が
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#00130 2011.9.30
荒魂神を正使とし、和魂神を副使とする
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「ここに天鳥船神(あめのとりふねのかみ)を建御雷神(たけみかづちのかみ)に副(そ)へて遣(つか)はしき。これを以(もち)て、この二柱(ふたはしら)の神、出雲国の伊那佐之小浜(いなさのおはま)に降り到(つ)きて、十掬剣(とつかのつるぎ)を抜きて、浪(なみ)の穂に逆さまに刺し立てて、その剣の先に趺(あぐ)みまして、大国主神に問ひたまはく、「天照大御
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#00129 2010.9.24
霊剣の魂神
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「ここに天照大御神、詔(の)りたまはく、「また何れの神を遣(つか)はさば吉(よ)けむ。」かれ、思金神(おもいかねのかみ)また諸(もろもろ)の神白(まお)さく。「天安河(あめのやすかわ)の河上の天石屋(あめのいわや)にます、名は伊都之尾羽張神(いつのおわばりのかみ)、これ遣はすべし。もしまたこの神ならずば、その神の子(みこ)、建御雷之男神(たけみ
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#00128 2011.9.19
罪を憎んで人を憎まず
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「ここに天(あめ)在(な)る天若日子(あめのわかひこ)の父、天津国玉神(あまつくにたまのかみ)、またその妻子(めこ)ども聞きて、降り来て哭(な)き悲しびて、すなはちそこに喪屋(もや)を作りて、河雁(かわがり)を岐佐理持(きさりもち)とし、鷺(さぎ)を掃持(ははきもち)とし、翠鳥(そにどり)を御食人(みけびと)とし、雀を碓女(うすめ)とし、雉(き
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#00127 2011.9.14
風神の霊徳
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「かれ、天若日子(あめのわかひこ)の妻、下照比売(したてるひめ)の哭(な)かせる声、風のむた響きて天(あめ)に到りき。」『古事記』
これは、高木神(高皇産霊神)の返矢の神術によって天若日子が尸解することとなり、それを嘆いた下照比売の泣き声が天(高天原)まで響いたという伝です。 #0125【第二の神使、天若日子降る】>> |
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#00126 2011.9.09
返矢の神術
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「ここに高木神(たかぎのかみ)、「この矢は天若日子(あめのわかひこ)に賜ひし矢なり」と告(の)りたまひて、即ち諸(もろもろ)の神等(かみたち)に示(み)せて詔(の)りたまはく、「もし天若日子、命(みこと)を誤(たが)はず、悪しき神を射たりし矢の至りしならば、天若日子に中(あた)らざれ。もし邪心(きたなきこころ)有らば、天若日子この矢にまがれ」と
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#00125 2011.9.4
第二の神使、天若日子降る
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「ここを以て高皇産巣日神(たかみむすびのかみ)、天照大御神、また諸(もろもろ)の神等(かみたち)に問ひたまはく、「葦原中国(あしはらのなかつくに)に遣(つか)はせる天菩比神(あめのほひのかみ)久しく復奏(かえりごとまお)さず。また何れの神を遣はさば吉(よ)けむ。」ここに思金神(おもいかねのかみ)答白(まお)しけらく、「天津国玉神(あまつくにたま
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#00124 2011.8.30
天菩比神、神使となる
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「ここに思金神(おもいかねのかみ)また八百万神等議(はか)りて、「天菩比神(あめのほひのかみ)、これ遣(つか)はすべし」と白(まお)しき。かれ、天菩比神を遣(つか)はしつれば、すなはち大国主神に媚(こ)び附(つ)きて、三年(みとせ)に至るまで復奏(かえりごとまお)さざりき。」『古事記』
八百万神による神議によって思金神が上奏し、今度は天菩
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#00123 2011.8.25
民主主義の起源
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「ここに高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、天照大御神の命(みこと)以(もち)て、天安河(あめのやすかわ)の河原に八百万神を神(かむ)集へに集へて、思金神(おもいかねのかみ)に思はしめて詔(の)りたまはく、「この葦原中国(あしはらのなかつくに)は、我が御子の知らさむ国と言依(ことよ)さしたまへる国なり。かれ、この国に千早振(ちはやぶ)る荒振る国
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#00122 2011.8.20
天浮橋は空中の気道
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「ここに天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、天浮橋(あめのうきはし)に立たして詔(の)りたまはく、「豊葦原之千秋長五百秋之水穂之国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに)は、いたくさやぎて有りけり」と告(の)りたまひて、さらに還り上りて天照大御神に請(まお)したまひき。」『古事記』
神々が天地の間を通う際に、「浮橋」とか「磐
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#00121 2011.8.15
幽顕分界の気運高まる
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「天照大御神の命(みこと)以(もち)て、「豊葦原之千秋長五百秋之水穂之国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに)は、我が御子、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)の知(しら)さむ国なり」と言(こと)因(よ)さしたまひて天降(あまくだ)したまひき。」『古事記』
まず、「豊葦原之千秋長五百秋之
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#00118 2011.7.29
大国主神の幸魂奇魂
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「ここに大国主神愁(うれ)ひまして、「吾(あれ)独(ひとり)して何(いかで)かこの国を得作らむ。いづれの神と与(とも)に吾(あ)は能(よ)くこの国を相作らむ」と告(の)りたまひき。この時に海(うなばら)を光(てら)して依(よ)り来る神あり。その神言(の)りたまはく。「我が前(みまえ)を治めば、吾能(よ)く共与(ともども)に相作り成さむ。もし然(
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#00117 2011.7.24
マジナヒの玄理
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「大己貴命(おおなむちのみこと)、少名彦命(すくなひこなのみこと)と力を戮(あわ)せ、心を一つにして天下(あめがした)を経営(つくり)給ふ。また顕見蒼生(うつしきあおひとくさ)及び畜生(けもの)のために、すなはちその病を療(おさ)むる方(のり)を定む。また鳥獣、昆蟲(はうむし)の災異(わざわい)を攘(はら)はむためには、すなはち禁厭(まじない)
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#00116 2011.7.19
二神の国造り
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「かれ、ここに、神産巣日御祖命(かみむすびみおやのみこと)に白(まお)し上げしかば、「此(こ)は実(まこと)に我が子(みこ)なり。子の中に我が手俣(たなまた)より漏(くき)し子なり。かれ、汝(いまし)、葦原色許男命(あしはらしこおのみこと)と兄弟(あにおと)となりて、その国を作り堅めよ」と答白(まお)したまひき。かれ、それより大穴牟遅(おおなむ
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#00115 2011.7.14
物実の神術について
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平田篤胤先生が久延毘古(くえびこ)の神秘を敬信されたのは、先生が毎朝奏上された『毎朝神拝詞』においても「天勝国勝奇霊千憑彦命(あめかつくにかつくしみたまちよりひこのみこと)と称へ名(みな)負はせ奉(まつ)る曽冨騰(そほど)の神、またの名(みな)は久延毘古神(くえびこのかみ)の御前に、平朝臣(たいらのあそん)篤胤、斎清(いみきよ)まりけり、慎み
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#00114 2011.7.09
少名彦那神の出現
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「かれ、大国主神、出雲の御大(みほ)の御前(みさき)にます時に、波の穂より天之羅摩船(あめのかがみのふね)に乗りて、鵝(ひむし)の皮を内剥(うちは)ぎて衣服(きもの)にして、帰(よ)り来(きた)る神有り。ここにその名を問はすれども答へず。また所従(みとも)の諸神に問はすれども、皆知らずと白(まお)しき。」『古事記』
この伝は大国主神が国造
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#00113 2011.7.4
大国主神の妻問い物語
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「かれ、その八上比売(やがみひめ)は、先の期(ちぎり)の如くみとあたはしつ。かれ、その八上比売は、率(ひき)て来ましつれども、その嫡妻(むかひめ)須勢理毘売(すせりびめ)を畏(かしこ)みて、その生める子(みこ)は木の俣(また)に刺し挟みて返りたまふ。かれ、その子の名(みな)は木俣神(きまたのかみ)と云(まお)す。またの名は御井神(みいのかみ)と
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#00112 2011.6.29
八十神の行方
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「かれ、その太刀、弓を持ちて、八十神(やそがみ)を追ひ避くる時に、坂の御尾(みお)ごとに追ひ伏せ、河の瀬ごとに追ひ撥(はら)ひて、国作りはじめたまひき。」『古事記』
黄泉国(よみのくに)から地上に戻った大国主神は、須佐之男命の神勅を奉じ、生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)を使って八十神を坂の尾ごとに追い伏せ、河の瀬ごとに追い撥(はら
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#00111 2011.6.23
須佐之男命の神勅
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「汝(な)が持てるその生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)を以て、汝(な)が庶兄弟(ままあにおと)どもをば坂の御尾(みお)に追ひ伏せ、また河の瀬に追ひ撥(はら)ひて、おれ大国主神となり、また宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)となりて、その我(あ)が女(むすめ)須勢理毘売(すせりびめ)を嫡妻(むかひめ)として、宇迦能山(うかのやま)の山本に
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#00110 2011.6.18
大屋毘古神のカムハカリ
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「ここにその大神の髪を握(と)りて、その室(むろや)の椽(たるき)ごとに結(ゆ)ひつけて、五百引(いほびき)の石(いわ)をその室の戸に取り塞(さ)へ、その妻須勢理毘売(すせりびめ)を負(お)ひて、すなはちその大神の生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)、及び天沼琴(あめのぬごと)を取り持ちて逃げ出でます時に、その天沼琴、樹にふれて、地(つち)
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#00109 2011.6.13
須佐之男命の安心
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「ここにその妻須勢理毘売(すせりびめ)は、喪具(はふりつもの)を持ちて哭(な)きつつ来まし、その父の大神は、すでに死(みう)せぬと思ほしてその野に出で立たせば、すなはちその矢を持ちて奉りし時に、家に率(ひき)て入りて八田間(やたま)の大室(おおむろや)に喚(よ)び入れて、その頭(かしら)の虱(しらみ)を取らしめたまひき。かれ、ここにその頭を見れ
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#00108 2011.6.8
動植物も言語を発する神代の時代
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「すなはち喚(よ)び入れて、その蛇(へみ)の室(むろや)に寝しめたまひき。ここにその妻須勢理毘売命(すせりびめのみこと)、蛇の比礼(ひれ)をその夫(ひこぢ)に授けて云(の)りたまはく、「その蛇、咋(く)はむとせば、この比礼を三(み)たび挙(ふ)りて打ち撥(はら)ひたまへ」と云(の)りたまふ。かれ、教(おしえ)の如(ごと)せしかば、蛇、自ずから静
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#00107 2011.6.3
大国主神と須勢理姫神の運命的出会い
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「ここにその御祖(みおや)、その子(みこ)に告(の)りたまはく、「汝(いまし)ここにあらば、遂に八十神(やそがみ)に滅(ころ)されなむ」と言(の)りたまひて、すなはち木国(きのくに)の大屋毘古神(おおやびこのかみ)の御所(みもと)に速(いそ)がし遣(や)りたまひき。」『古事記』
御祖(みおや)とは、大穴牟遅神(おおなむちのかみ)の母神であ
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#00106 2011.5.28
神々の社会
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造化三神と六柱の神、合わせて九柱の神が主権君位の神であることは前述によって明らかですが、 #0105【主権君位の神】>> 八百万神の内、隠身(かくりみ)の独神(ひとりがみ)である葦牙彦遅神(あしかびひこぢのかみ)、天之常立神(あめのとこたちのかみ)、国之常立神(くにのとこたちのかみ)、豊雲野神(とよくもぬのかみ)の四柱の神、また
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#00104 2011.5.17
大国主神の受難
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「かれ、ここに八十神(やそがみ)怒りて、大穴牟遅神(おおなむちのかみ)を殺さむと共に議(はか)りて、伯岐国(ははきのくに)の手間の山本に至りて云ひけるに、「赤猪(あかい)この山にあるなり、かれ、我共に追ひ下さば、汝(なれ)待ち取れ。もし待ち取らずば、必ず汝を殺さむ」と云ひて、火を以て猪(い)に似たる大石を焼きて転(まろ)ばし落としき。ここに追ひ
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#00102 2011.5.6
稲羽の白兎の伝承(1)
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「かれ、この大国主神の兄弟(あにおと)八十神(やそがみ)ましき。しかれども皆、国は大国主神に避りまつりき。」『古事記』
「八十神(やそがみ)」とあるのは八十柱の神というわけではなく、「数多くの神」という意味です(「八百万の神」と同じ)。つまり、八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)には数多くの御子神がいましたが、その中の一柱が大国主神であり、
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#0088 2011.2.24
須佐之男命の行方
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「かれ、ここを以てその速須佐之男命、宮造るべき地(ところ)を求(ま)ぎたまひて出雲国に到りまし、須賀の地にて詔(の)りたまはく、「吾(あれ)、この地に来まして、我(あ)が御心すがすがし」とのりたまひて、そこに宮作りて坐(ま)しましき。かれ、その地は今に須賀といふとぞ。この大神、初め須賀宮を作りし時に、その地より雲立ち騰(のぼ)りき。かれ、御歌(
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#0087 2011.2.20
ヤマタノオロチの伝承(2)
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「ここに須佐之男命、その佩(は)かせる十拳剣(とつかのつるぎ)を抜きて、その蛇(おろち)を切りはふりしかば、肥の河、血に変(な)りて流れり。かれ、その中の尾を切りたまふ時、御刀(みはかし)の刃(は)毀(か)けき。怪しと思ほして、御刀の前(さき)を以て刺し割(さ)きて見そなはししかば、都牟刈(つむかり)の大刀(たち)在り。かれ、この大刀を取り、異
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#0086 2011.2.16
ヤマタノオロチの伝承(1)
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「かれ、避追(やら)はへて、出雲国の肥の河上に在る鳥髪(とりかみ)の地(ところ)に降りましき。この時、箸(はし)その河より流れ下りき。ここに須佐之男命、その河上に人有りけりと以為(おも)ほして、尋ね覓(ま)ぎ上り往きまししかば、老夫(おきな)と老女(おみな)と二人在りて、童女(おとめ)を中に置きて泣くなり。ここに「汝等(いましたち)は誰ぞ」と問
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#0085 2011.2.11
地球環境完成への道
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「素盞鳴尊(すさのおのみこと)曰(のたま)はく、「韓郷(からくに)の嶋はこれ金銀(こがねしろがね)有り。もし、吾(あ)が児(みこ)しらさむ国に浮宝(うきたから)有らずは佳(よ)からじ」とのりたまひて、すなはち鬚髯(ひげ)を抜きて散(あが)ちたまへば、すなはち杉と成る。また、胸(みむね)の毛を抜きて散(あが)ちたまへば、すなはちこれ檜(ひのき)と
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#0084 2011.2.7
五十猛神の功業
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「この時、素盞鳴尊(すさのおのみこと)、その子(みこ)五十猛神(いそたけるのかみ)を師(ひき)ひて新羅国(しらぎのくに)に降到(くだ)りまして、曾尸茂利(そしもり)の処(ところ)にましまして、すなはち興言(ことあげ)して曰(のたま)はく、「この地(くに)は吾(あれ)居(お)らまく欲せず」とのたまひて、遂に埴土(はに)を以て舟を作り、乗らして東に
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#0083 2011.2.03
災い転じて福となる
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「ここに素盞鳴尊(すさのおのみこと)、日神(ひのかみ)に白(まお)して曰(のたま)はく、「吾(あれ)更に昇(まい)来る所以(ゆえ)は、衆神(もろかみたち)我(あれ)を根国(ねのくに)に処(いねとい)ひき。今当(まさ)に就去(まか)りなむとす。もし姉(なねのみこと)と相見(あいまみ)へまつらずは、終(つい)に忍び離(わか)る能(あた)はず。かれ、
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#0082 2011.1.30
須佐之男命の罪の解除
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「ここに八百万神共に議(はか)りて、速須佐之男命に千位(ちくら)の置戸(おきど)を負はせ、また髭(ひげ)を切り、手足の爪をも抜かしめて、神(かむ)やらひやらひき。」『古事記』
「すなはち天児屋命(あめのこやねのみこと)に、その解除(はらえ)の太諄辞(ふとのりとごと)を掌(し)らしめて宣(の)らしむ。」『日本書紀』
「千位(ちくら)の置戸
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#0081 2011.1.26
天照大御神の復活
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「ここに天照大御神、怪(あや)しとおもほして、天石屋戸(あめのいわやど)を細めに開きて、内より告(の)りたまへるに、「吾(あ)が隠(こも)りますによりて、天原(あまのはら)自ずから闇(くら)く、また葦原中国(あしはらのなかつくに)も皆闇(くら)からむとおもふを、何の由(ゆえ)に天宇受売(あめのうずめ)は楽(あそび)し、また八百万神諸(もろもろ)
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#0080 2011.1.21
神楽の起源
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「天香山(あめのかぐやま)の五百津(いおつ)真賢木(まさかき)を根こじにこじて、上枝(ほつえ)に八坂勾璁(やさかのまがたま)の五百津の御(み)すまるの玉を取り著(つ)け、中枝(なかつえ)に八尺鏡(やたのかがみ)を取りかけ、下枝(しつえ)に白(しら)にぎて青にぎてを取り垂(し)で、この種々(くさぐさ)の物は、布刀玉命(ふとだまのみこと)布刀御幣(
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#0079 2011.1.17
人類物質世界開闢のため
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「天児屋命(あめのこやねのみこと)布刀玉命(ふとだまのみこと)を召して、天香山(あめのかぐやま)の真男鹿(まおしか)の肩を内(うつ)抜きに抜きて天香山の天波波迦(あめのははか)を取りて、占へまかなはしめて」『古事記』
天児屋命(あめのこやねのみこと)は別のご神名を国之辞代主神(くにのことしろぬしのかみ)といい、天之辞代主神(あめのことしろ
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#0078 2011.1.12
天石屋隠れ -三種の神器の起源-
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「かれ、ここに天照大御神見畏(かしこ)みて、天石屋戸(あめのいわやど)を閇(た)て、刺しこもりましき。すなはち高天原皆暗く、葦原中国(あしはらのなかつくに)悉(ことごと)に闇(くら)し。これによりて常夜(とこよ)往くを、ここに万(よろず)の神の声(おとない)は狭蝿(さばえ)なす皆満ち、万(よろず)の妖(わざわい)悉(ことごと)に発(おこ)りき。
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#0077 2011.1.7
即化の神術
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須佐之男命の乱行の段(くだり)において、天照大御神が忌服屋(いみはたや)でご神衣を天衣織女(あめのみそおりめ)に織らせていたという伝承について、一つ疑問が残ります。 #0076【須佐之男命の乱行】>> それは、このご神衣を一体何に用いるのだろうか?という疑問です。
「忌服屋(いみはたや)」の「忌」というのは本居宣長先生によ
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#0076 2011.1.2
須佐之男命の乱行
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「ここに速須佐之男命、天照大御神に白(まお)したまはく、「我(あ)が心、清明(あかき)故に我(あ)が生みし子(みこ)手弱女(たわやめ)を得つ。これによりて言(まお)さば、自ずから我(あれ)勝ちぬ」と云ひて、勝(かち)さびに天照大御神の営田(みつくた)の畔(あ)を離ち、その溝(みぞ)を埋め、またその大嘗(おおにえ)聞こしめす殿に屎(くそ)まり散ら
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#0074 2010.12.24
衣食の道、開かれる
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「この後、天照大御神、復(また)天熊人(あまくまのうし)を遣(つか)はし往(ゆ)きて看(み)せしたまふ。この時、保食神(うけもちのかみ)、実(まこと)に已(すで)に死(まか)りたり。唯、その神の頂(いただき)に、牛馬化為(な)り。顱(ひたい)の上に粟(あわ)生(な)り。眉の上に蠒(かいこ)生り。眼の中に稗(ひえ)生り。腹の中に稲生り。陰(ほと)
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#0073 2010.12.19
鳥獣魚類及び穀物の原種の発生
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「すでにして天照大神、天上(あめ)に在(ま)しまして曰(のりたま)はく、「葦原中国(あしはらのなかつくに)に保食神(うけもちのかみ)有りと聞けり。爾(いまし)月夜見尊(つきよみのみこと)、就(ゆ)きて候(み)よ」。月夜見尊、勅(みこと)受(かしこみ)て降りまして、保食神の許(みもと)に到り。保食神、すなはち首(かしら)を廻(めぐ)らして国に嚮(
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#0072 2010.12.15
宇気比の神術
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「日神(ひのかみ)、素盞鳴尊(すさのおのみこと)と共に相対(あいむか)ひて立誓(うけい)て曰(のたま)はく、「もし汝(いまし)心、明浄(あかくきよらか)にて、凌(しの)ぎ奪ふの意(こころ)有らずば、汝(いまし)の生む児(みこ)必ず当(まさ)に男(ひこみこ)ならむ」と言(のたま)ひ訖(お)へて」『日本書紀』
この『日本書紀』の本文は『古事記
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#0071 2010.12.10
天照大御神の疑念
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「ここに天照大御神、聞き驚きて詔(の)りたまはく、「我(あ)がなせの命(みこと)の上り来る由(よし)は、必ず善き心ならじ。我(あ)が国を奪はむと欲(おも)ふにこそあれ。」(中略)いつの男建(おたけ)び踏み建(たけ)びて待ち問ひたまはく、「何の故にか上り来つる」と問ひたまひき。」『古事記』
父神伊邪那岐神の神勅によって、母神伊邪那美神の鎮
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#0070 2010.12.5
須佐之男命による地軸の傾斜
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「かれ、伊邪那岐大御神、速須佐之男命に詔(の)りたまはく、「何由(なにゆえ)に、汝(いまし)は事依(ことよさ)せし国を治(し)らさずして哭(な)きいさちる」と爾(の)りたまへば、答へて白(まお)さく、「僕(あ)は妣(はは)の国、根之堅州国(ねのかたすくに)に罷(まか)らむと欲(おも)ふ故に哭(な)く」と白(まお)したまひき。ここに伊邪那岐大御神
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#0062 2010.10.25
三貴子の誕生
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「ここに左の御目を洗ひ給ふ時に成りませる神の名(みな)は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)。次に右の御目を洗ひ給ふ時に成りませる神の名は、月読命(つきよみのみこと)。次に御鼻を洗ひ給ふ時に成りませる神の名は、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)。」『古事記』
「この時伊邪那岐命、大(いた)く歓喜(よろこ)びて詔(の)り給はく、「吾(
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#0061 2010.10.20
祓戸四柱神の誕生
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「次にその禍(まが)を直さむとして成りませる神の名(みな)は、神直毘神(かむなおびのかみ)、次に大直毘神(おおなおびのかみ)、次に伊豆能売神(いずのめのかみ)」『古事記』
神直毘神と大直毘神の関係も禍津日神(まがつひのかみ)と同様ですが、 #0060【禊ぎ祓えの神術】>> この神は禍事(まがごと)を直そうという伊邪那岐神の感動
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#0060 2010.10.14
禊ぎ祓えの神術
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「高天原(たかまのはら)に神留(かむづまり)ます神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)の命(みこと)以(もち)て。皇御祖神(すめみおやかむ)伊邪那岐命(いざなぎのみこと)。筑紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あわぎはら)に。身滌(みそぎ)祓ひ給ふ時に生(あれ)ませる祓戸之大神等(はらえどのおおかみたち)。諸(も
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#0059 2010.10.8
人類の祖先は本当に猿類か?
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「神(かむ)伊邪那岐・伊邪那美の命(みこと)妹背二柱(いもせふたはしら)嫁継(とつ)ぎ給ひて、国の八十(やそ)国、島の八十島を生み給ひ、八百万の神等(かみたち)を生み給ひて、麻奈弟子(まなおとこ)に火結神(ほむすびのかみ)を生み給ひて」『鎮火祭祝詞』
これは太古の鎮火祭(ちんかさい)の祝詞(のりと)の一部ですが、「麻奈弟子」とは古言で「末
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#0058 2010.10.3
日本人として
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以上のように神代第二期中は、伊邪那岐・伊邪那美神の御心が一たび感動されるごとに、直ちに化生神が出顕するほどの気運ですが、その感動とは本魂が動かれるのではなく、ただ情が動くものと考えられます。伊邪那岐神の女神を偲ぶ愛情が変じて遂に怒りとなりましたが、建(たけ)き神々が化生した後はさらに怒ることはなく、また、伊邪那美神の恨みの情が変じて怒りとなり
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#0057 2010.9.28
女神の御心 -母性愛の起源-
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「最後(いやはて)にその妹(いも)伊邪那美命、身(み)自ら追ひ来ましき。ここに千引石(ちびきいわ)をその黄泉比良坂(よもつひらさか)に引き塞(さ)へて、その石(いわ)を中に置きて、各(あい)対(む)き立ちて事戸(ことど)を度(わた)す時に、伊邪那美命言(まお)さく、「愛しき我(あ)が那背命(なせのみこと)かくしたまはゞ、汝(いまし)の国の人草(
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#0056 2010.9.23
神々の怒り
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「ここにその妹(いも)伊邪那美命(いざなみのみこと)を相(あい)見むと欲(おもお)して黄泉国(よみのくに)に追ひ往(ゆ)きましき。ここに殿の滕戸(さしと)より出で向へし時、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)語りて詔(の)りたまはく、「愛しき我が汝妹(なにも)の命(みこと)、吾(あ)と汝(いまし)と作りし国、未だ作り竟(お)へず。かれ、還(かえ)るべ
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#0055 2010.9.18
神々の分体と合体
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「殺さえましゝ迦具土神(かぐつちのかみ)の頭(かしら)に成りませる神の名(みな)は、正鹿山津見神(まさかやまつみのかみ)。次に胸に成りませる神の名は、淤膆山津見神(おどやまつみのかみ)。次に腹に成りませる神の名は、奥山津見神(おくやまつみのかみ)。次に陰(ほと)に成りませる神の名は、闇山津見神(くらやまつみのかみ)。次に左の手に成りませる神の名
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#0054 2010.9.13
火神の変化無量の霊徳
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火神(ひのかみ)は神々の中でもとくに変化無量の玄妙なる霊徳をそなえているため、この神の徳が加わる時は今の人の世においても不可思議な変化が起こります。 #0052【火神の剣尸解(1)】>>
この自然界にある万物は元素が凝結したものですが、すべて即化する(一瞬の内に変化する)ものではなく、順化する(時間をかけてしだいに変化する)もの
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#0053 2010.9.8
火神の剣尸解(2)
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「これに伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、佩(は)かせる十拳剣(とつかのつるぎ)を抜きて、その子迦具土神(かぐつちのかみ)の頸(くび)を斬り給ひき。ここにその御刀(みはかし)の前(さき)に箸(つ)ける血、湯津石村(ゆついわむら)に走り就きて成りませる神の名(みな)は、石拆神(いわさくのかみ)、次に根拆神(ねさくのかみ)、次に石筒之男神(いわつつの
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#0052 2010.9.3
火神の剣尸解(1)
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「次に火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ)を生みます、またの名(みな)は火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)、またの名は火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)と謂(まお)す。この子を生みますにより、美蕃登(みほと)灸(や)かれて病み臥(こや)せり。」『古事記』 「これに伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、佩(は)かせる十拳剣(とつかのつるぎ)を抜きて、
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#0051 2010.8.29
尸解の神術
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「かれ、伊邪那美神(いざなみのかみ)は火神を生みませるに因(よ)りて、遂に神避(かむさ)りましき。」『古事記』
これは、火神を生んだことが原因で、伊邪那美神は遂に地下の幽府に入られたという伝ですが、これを後世の人間的な「死」のように考えるのは大きな間違いです。平田篤胤先生もこのことについて、「神避り」=「葬り去る」などの解説はまったくの誤
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#0050 2010.8.24
風神の出顕
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『日本書紀』によると、地球上ではじめて化生神が成り出(いで)たのは「級長津彦命(しなつひこのみこと)」またのご神名を「級長戸辺命(しなとべのみこと)」と称する風神(かぜのかみ)ですが、それは本文中の「伊奘諾尊(いざなぎのみこと)、伊奘冉尊(いざなみのみこと)と共に大八洲国(おおやしまぐ)を生みたまひき。しかして後」という語勢によっても明らかで
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#0049 2010.8.19
化生神と胎生神
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「伊奘諾尊(いざなぎのみこと)、伊奘冉尊(いざなみのみこと)と共に大八洲国(おおやしまぐ)を生みたまひき。しかして後、伊奘諾尊、「我が生める国、ただ朝霧(さぎり)のみ有りて、薫(かお)り満てるかな」と曰(のたま)ひて、すなはち吹き撥(はら)はせる気(みいぶき)に化(な)りませる神の号(みな)を級長戸辺命(しなとべのみこと)と曰(まお)す。また
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#0048 2010.8.14
「神生み」の時代
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『古事記』や『日本書紀』などの日本の神典は、今のわたしたちの常識から考えると不可解な内容が多く、大昔の科学が発達していない野蛮な時代の人が創作した小説のように思われますが、日本古学の玄理に照らし合わせて考察していけば、世界にも類を見ない、玄妙なる宇宙の摂理を伝えたものであることが明瞭になってきます。(一神教を信じる国々は、天災や戦乱によって神
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#0036 2010.6.15
神代第一期補遺(2)
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さて、伊邪那岐・伊邪那美二柱がこの時天神(あまつかみ)より賜わった天沼矛(あめのぬほこ)と呼ばれるものですが、 #0034【地球の修理固成】>> この神器を原始地球に衝(つ)き立てて回転させることによって膨張と収縮(凝結)が起こり、地球の自転がはじまったことから考えても、これは皇産霊両神の膨張力と縮引力(遠心力と求心力)という神徳
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#0035 2010.6.10
神代第一期補遺(1)
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「次に成りし神の名は、国之常立神(くにのとこたちのかみ)、次に豊雲野神(とよくもぬのかみ)。この二柱の神も独神(ひとりかみ)と成りまして、隠身(かくりみ)なり。 次に成りし神の名は、宇比地邇神(うひぢにのかみ)、次に妹(いも)須比智邇神(すひぢにのかみ)。次に角杙神(つのくひのかみ)、次に妹(いも)活杙神(いくひのかみ)。次に意冨斗能地神(おほ
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#0034 2010.6.3
地球の修理固成
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その後の「神世七代(かみよななよ)」と呼ばれる時代の最後に、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)、伊邪那美神(いざなみのかみ)と呼ばれる男徳(膨張力)と女徳(縮引力)をそなえた陰陽二柱の神が生まれ、別天の神より「この漂へる国を修理固成(つくりかためな)せ」という勅命を受け、「天沼矛(あめのぬほこ)」を賜わったことが『古事記』に記されています。 |
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#0032 2010.5.22
太陽の成立
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「次に国稚(いし)く、浮脂(うきあぶら)の如くして、海月(くらげ)なす漂える時に、葦牙(あしかび)の如く萌え騰(あ)がる物によりて成りませる神の名は、宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)、次に天之常立神(あめのとこたちのかみ)、この二柱(ふたはしら)の神も独神(ひとりかみ)成りまして、隠身(かくりみ)なり。上の件(くだり)の五柱
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#0031 2010.5.16
原始太陽系のすがた
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『古事記』本文冒頭の「天地初めて~隠身なり」まではビッグバンによる天地開闢(かいびゃく)に関する伝承ですが、それ以降は太陽系の成立に関することが伝えられています。
「次に国稚(いし)く、浮脂(うきあぶら)の如くして、海月(くらげ)なす漂へる時に、葦牙(あしかび)の如く萌え騰(あ)がる物によりて成りませる神の名(みな)は」『古事記』
ま
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#0030 2010.5.10
天地万物造化のはじまり
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「天地(あめつち)初めて発(ひら)けし時、高天原(たかまのはら)に成りませる神の名(みな)は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、次に高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、次に神産巣日神(かみむすびのかみ)。この三柱(みはしら)の神は、みな独神(ひとりがみ)成りまして、隠身(かくりみ)なり。」『古事記』
さて、天之御中主神 |
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#0028 2010.4.29
霊・気・質の関係
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話のついでに、宇宙を構成する霊・気・質の関係についても触れておきたいと思いますが、これについても人身をみれば簡単にわかります。 #0027【ビッグバン以前の宇宙】>> まずわたしたちの肉体(質)には生命体(霊)がそなわっており、その生命体である霊魂の指示によって内臓が活動し、血液などの体液が流動して肉体を維持する活動を行ってい
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#0027 2010.4.23
ビッグバン以前の宇宙
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日本古学では、ビッグバンのことを「天地開闢(てんちかいびゃく)」と呼んでいますが、それでは開闢以前の宇宙は、はたしてどのようなものだったのでしょうか? 言葉にするならば、前宇宙なるものは、始めもなく終わりもなく、無量無辺であるために、東西南北の別もなく、時間や空間を測ることもできず、遠近上下前後の別もないものということになるでしょう。今日の
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#0026 2010.4.17
宇宙のはじまり
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太陽、地球、月の関係については簡単に前述しましたが、 #0006【太陽と地球と月の関係】>> 宇宙の成立に関しても、日本の神典を読み解くことによって明らかになってきます。
「天地(あめつち)初めて発(ひら)けし時」『古事記』本文冒頭
前にも述べましたが、「やまとことば」は漢字が伝来する以前から古代日本で使われてきましたので
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