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以前の記事 : 2019年6月
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#00601 2019.6.29
生類の霊異(34) -狸及び貂(化狸の事例)-
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豊後国日田町には、明治初年に有名な老狸があって、同地の老大家の五岳先生に化けて他(ひと)を訪問するのが十八番芸であるが、この狸が化けるのはこの事ばかりで、その他のものには一度も化けたことがない。而して又、彼は風流韻事の席へのみ化け、五岳となって現れるのだから、土地の人はこれに風流狸の綽名(あだな)を与へて居た。
詩人・墨客(ぼっかく)が
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#00600 2019.6.23
生類の霊異(33) -狸及び貂(隠形の事例)-
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我曾祖父時代に、近所に老狸が棲んで居てよく悪戯をした。その頃、幅三間ばかりの堀を隔てた裏向ひの親戚の鈴村家に、ニ十歳ばかりの病身娘があって、時々堀の一本橋を渡って著者(岡田建文大人)方へ遊びに来たのであるが、或る日の晩方にその娘が橋を渡って来て、竹藪の際にある柿の木に靠(もた)れて物思はしげに立ってゐた姿を、友達であった著者の大叔母が見た。翌
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#00599 2019.6.17
生類の霊異(32) -狸及び貂(人語を為す事例)-
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狐狸が化けると云ふことを、人間の幻覚説にする学者には叱られるだらうが、霊怪妖異の中には実在事もあると云ふ見地に立っては、見逃しのならぬ話料として、化けない狸が人語を以て人を罵言したと云ふ事を収録する。 固より現代のことではなく、約八十年近く前のことで、或る老媼(おうな)の偽らざる告白に拠る怪事であるから、読者はその腹で読まれたい。
著
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#00598 2019.6.11
生類の霊異(31) -狸及び貂(家人を護る事例)-
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大正八年、京都の五条警察署の上手、八坂神社近くの和本の古本屋・磯淵某方へ探書に行って見ると、女主人に一疋の大猫が附いて出て膝元へ座った。この女主人は四十歳ばかりの丸顔の大柄の婦人であったが、一見陰気臭く、而して奇怪にもその面貌に狸の気配が直覚された。但し狸に似た容貌では決してないのであった。
著者(岡田建文大人)は暫時(ざんじ)古本を調
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