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#00675 2020.9.16
宮地神仙道修真秘訣(1) -神識と魂魄-
 
 
(清風道人云、前項の『宮地神仙道要義』に続いて、神仙道本部を主宰された清水宗徳先生(道号・南岳)の御遺稿により宮地神仙道の修真法について御教授頂くことゝ致します。 #0651【宮地神仙道要義(1) -序にかへて-】>> )

 凡そ修真の道に志すの初に於て、まず人身の本源を明らかにし魂魄玄妙の真理を究めなければならぬ。即ち修真の法たる導引、調気、房中補益、吐納、胎息、煉丹還精の諸術より感念、感想、鎮魂、使魂、霊胎結成、尸解(しか)等の各階梯に至るまで、その旨とするところは魂魄の煉成である。
 さればその根元たる魂魄の組織働用の玄理に明徴せずんば、仙果得失の上に大いなる径庭を生ずること又自明の理である。 #0630【霊魂と肉体(8) -魂魄-】>> #0662【宮地神仙道要義(12) -修練の究極・霊胎結成法-】>>

 古来仙家に於て霜辛雪苦(そうしんせっく)修煉の業を課する傍ら、汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)もたゞならざる道経を跋渉(ばっしょう)せしめる所以(ゆえん)のものは、畢竟(ひっきょう)するに玄道隠微の真理に契会せしめ道果の結実に蹉跌(さてつ)なからしめんが為に外ならぬが、しかも道経数千巻、加ふるに偽仙の妄作にかゝる荒唐妄誕の偽書錯雑し、その何れより染指すべきや洵(まこと)に多岐亡羊といはうか多方喪生の感なくんば非ずである。

 然るにこゝに明治中期の近代に於て、肉身を以て神仙界に出入し親しく高貴の神祇上仙より斯道(しどう)の秘要を指授されたる先師宮地水位先生の御恩沢により、坐して修真の正経たる神真至要の玄理を学び得ることは真に千載難値の道福といふべきである。 #0670【水位先生と神通(1) -英雄万古の悲哀-】>>
 以下、先師の御遺稿たる『玄道或問(わくもん)』より当該部分を謹抄しつゝ稿を起すことゝ致したいが、原文は御推敲前の草稿に係り、先師独特の漢文体で誌(しる)されてあり、旁々(かたがた)こゝにはその理解を易(やす)からしめる便宜上、和訳文体として提出したことを諒(りょう)とせられたい。

「弟子曰く、先生唯魂魄の働を解く、また魂魄の説たる我昧然としてその理を得ず、聞くことを得べきやと。余(よ)曰く、魂魄の説たるや従来久し。その説に曰く、日魂月魄は魂魄の名なり。又魂を烏肝(うかん)と曰ひ、魄を兎膸(とずい)と曰ふ。又医典に曰く、膸は水を主(つかさど)り肝は火を主る。又玄典に曰く、日は火たり、月は水たり、。又曰く、水火和合して血と為る。又魂は火に属し(体中に在るの時)魄は水に属す。故に魂は陽たり、魄は陰たり。(これ諸書に説く所なり。)水位曰く、魂魄は(これに於ては体霊を説く)父母に稟(う)くる所の精爽なり。魂の長ずるに及びて自然にして天識の来るを知る。天識は天神の分なり。魂魄は父母の分なり。」(『玄道或問』)

 抑々(そもそも)人身は霊魂と肉体より成るものであるが、これを霊魂に就ていふに、魂は火の霊であり、魄は水の霊であり、魂は天に属して日魂陽魂とも名付け、魄は地に属して月魄陰魄とも名付ける。即ち人は天地の精神・日月の霊徳の結合して成れるもので万物の霊長たる所以である。

「夫(そ)れ人の生るゝや、父母の腎血を稟けて体を結び、父母の二気を受けて魂を纏(まと)むるの魂を生ず。(魂を纏むるの魂は二儀によりて生ず。これ父母の分霊にして、天神の新たに賦与する所ならず。この霊たるや天識を招く霊なり。天識は新たに天神の賦与する所にして所謂(いわゆる)神識なり。神霊なり。父母の分霊はこれを招くの霊なり。父母の分霊は神代より今に至り、世々の親子授けてこれを伝ふるの霊なり。この霊たるや天霊に合して神魂と為る。人死すれば二霊幽に入りて一と為る。故に天魂と体魄と在り。)これを会易和合の霊といふ。(神識を招くの体霊なり。)」(『玄道或問』)

 さて胎児結成の根元は、陽体たる父の腎液(陰物)と陰体たる母の血(陽物)と相交りて胎を結び、この胎中に父母の二気を稟けて魂を纏むるの魂を生ずる。魂を纏むるの魂とは即ち本魂たる天識を招き纏める為の霊魂をいふのである。
 この体魂は父母の分霊で、天祖より代々親子相伝へて来た陰陽二気の霊物で、天識を招き天識と合して神魂となるのであるが、胎児の母体中にあること約十月にして現界生活に堪ふるの機能を具備して出生するや、この体魂に招かれて新しく入り来るのが本魂たる天識(また天霊、天魂、天質、神識、神霊といふ)である。
 即ち体魂(魂魄)は神代以来父母伝統の霊物であり、本魂(天識)はこの伝統の体魂に招かれて来降(らいごう)する至霊の活物で、新たに天神の賦与し給ふ分霊である。「天識は天神の分なり。魂魄は父母の分なり」といふ区別を明確ならしめるを要する。

「神識の将(まさ)に入らんとするもその体無し。体霊の長ずるに随ひて自ずからに入る。これ則ち天神の賦する所にして体霊招く所の神なり。泥丸(でいがん)に位し一体に充(み)つ。」(『玄道或問』)

 神識(天識、本魂)は胎児の出生と同時に入り来るものであるが、その将に入らんとするも留まるべき本体がなくてはならぬ。この本魂たる天識を招く本体が体霊であって、本魂はこの体霊(体魂、魂魄)の成長するに従って継続して入り来り、かくて自然にして本魂が増大するのである。
 この本魂たる神識こそ即ち宇宙大元霊たる天神の分霊で人の本性である。人間を霊止(ひと)といひ神といふ所以もこゝに存するのである。されば愈々体霊(魂魄)を長ぜしめて神識を招き本魂を増大せしめることが益々人をして霊ならしめる所以である。 #0628【霊魂と肉体(6) -霊魂の種子-】>>

 仙家修真の法たる導引、調息、煉丹還精みな魂魄の練成を目的とするもので、かくて魂魄の正気を摂養することにより愈々体霊を長ぜしめ自然にして本魂たる神識を増大せしめる結果を収めるので、よくこの玄理に契合せるものである。
 自己の本性たる神識は宇宙元気の大霊たる天神の分神であり、自ずからにして玄徳神妙の働用を具へたものであるから、神識の増大顕現といふことが重大眼目であるのである。

 この分神の宗元たる天神は、先師が『霊胎凝結口伝』中に「これを以て好道の士は感念を行ふの初、まず我が神気を養ひ、魂を醇陽(じゅんよう)に練りて、七魄を消し、元気を身体に浩大にせんが為に元気の太祖に坐す太一真君(たいいつしんくん)を拝し尊みて感念神通変化の門を開き、而して後に霊胎凝結の法を行ふ時は速かにその功を得べし」と記されたる太一真君即ち天之御中主神である。 #0210【神道宇宙観略説(1) -宇宙の大精神-】>>
 
 
 
清風道人
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