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#00132 2011.10.10
幽顕分政の神勅下る
 
 
「ここに経津主神(ふつぬしのかみ)、すなはち還り昇りて報告(かえりごとまお)す。時に高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)、すなはち二神(ふたはしらのかみ)を還し遣(つか)はして、大己貴神(おおなむちのかみ)に勅(みことのり)して曰(いわ)く、「今、汝(いまし)が言(まお)すことを聞くに、深くその理(ことわり)有り。かれ、さらに条々(おちおち)にして勅(みことのり)したまふ。それ汝が治(し)らす顕露事(あらわごと)は、宜しくこれ吾が皇孫(すめみま)治らすべし。汝は即ち神事(かみごと)を治らすべし。また汝が住むべき天日隅宮(あめのひすむのみや)は、今まさに供造(つく)りまつらむ。(中略)また汝が祭祀(まつり)を主(つかさど)らむは天穂日命(あめのほひのみこと)これなり」とのたまふ。」『日本書紀』

 前段にあるように、大国主神は須佐之男命の神勅のとおり、大宮造営を天津神に請願し、経津主神(『古事記』では建御雷神(たけみかづちのかみ))が高天原に戻ってそのことを報告したところ、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)もその深い道理を了承し、また二神を天降して大国主神に神勅を発せられました。 #0130【荒魂神を正使とし、和魂神を副使とする】>> #0131【大国主神、神使を疑う】>>

 「それ汝が治(し)らす顕露事(あらわごと)は、宜しくこれ吾が皇孫(すめみま)治らすべし。汝は即ち神事(かみごと)を治らすべし」というのがそれですが、これこそ天地開闢後、はじめて顕界(あらわよ)を幽界(かくりよ)から独立させて神政を分治する造化自然の大気運の到来を意味し、つまり顕政は皇孫邇々芸命(ににぎのみこと)が治ろしめすこととなり、幽政は大国主神が治ろしめすことと定まったのです。 #0024【幽顕分界という歴史的事実】>> #0101【神代第四期のはじまり】>>
 そして大国主神の誓願どおりに、その御魂が鎮まるべき大宮が造られることとなり、前述のように天穂日命(あめのほひのみこと)が斎主と定められました。 #0124【天菩比神、神使となる】>>

 これが現在の出雲大社の大起源であり、神代の天津神の神勅により、国津神によって建立された神社は他にはありません。 #0059【人類の祖先は本当に猿類か?】>> (現在の出雲大社は高さ約24mですが、社伝によれば、中古の時代は16丈(約48m)だったとされ、近年では心御柱(しんのみはしら)や宇豆柱(うずばしら)など、壮大な社殿があったことを証明する証拠が発見されています。さらに上古の時代、最初に建立された社殿は32丈(約96m)だったとされており、これはまさしく人間サイズではないでしょう。)
 このことは、第三代主宰神として地球の組織経営の全権を有し、造化大成の功業を成して、次には幽府神政の大主権を得た大国主神の大徳を、人間界に明らかにするという天津大神たちの深き神量(かむはかり)であることを知るべきです。本居宣長先生も、「八雲立つ、出雲の神をいかに思ふ、大国主を人は知らずやも」と詠みおかれています。 #0111【須佐之男命の神勅】>> #0118【大国主神の幸魂奇魂】>> #0120【大国魂神と大物主神】>>

「ここに大己貴神(おおなむちのかみ)、報(こた)へて曰(まお)さく、「天神(あまつかみ)の勅教(みさとし)かく慇懃(ねんごろ)なり。敢へて命(おおせ)に従はざらむや。吾(あ)が治らせる顕露事(あらわごと)は、皇孫(すめみま)当(まさ)に治ろしめすべし。吾は将(まさ)に退きて幽事(かくりごと)を治ろしめす」とまをしき。」『日本書紀』

 これも『日本書紀』の伝ですが、大国主神は天津神の再度の詔(みことのり)に対して「天神(あまつかみ)の勅教(みさとし)かく慇懃(ねんごろ)なり」と、まずその満足の意を述べられ、次に「吾(あ)が治らせる顕露事(あらわごと)は、皇孫(すめみま)当(まさ)に治ろしめすべし。吾は将(まさ)に退きて幽事(かくりごと)を治ろしめす」と、天照大御神、高皇産霊大神の神勅を受諾することとなりました。
 
 
 
清風道人
カテゴリ:日本の神伝
 

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