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#0075 2010.12.29
伊勢外宮に鎮まります豊宇気大神
 
 
 保食神(うけもちのかみ)は、火神(ひのかみ)と土神(つちのかみ)の交合によって生まれた胎生神ですが、火神と土神はともに伊邪那美神より生まれた兄弟神で、同母兄弟による神生みはこの他には一切例がなく、このことには深い理由があるものと考えられます。 #0049【化生神と胎生神】>> #0059【人類の祖先は本当に猿類か?】>>
 保食神によってその原種が生まれた穀物や魚類、動物や鳥類は、今はわたしたち人間の食材としてなくてはならない存在ですが、これらのものが人間と違い、親子兄弟による交合によって繁殖できるのは、この火神と土神の同母兄弟による御婚(みあい)に起因するものと考えられ、人間の食料となるための繁殖能力を有していることがわかります。(にもかかわらず人間界では飢餓の問題がなくなりませんが…) #0073【鳥獣魚類及び穀物の原種の発生】>> #0074【衣食の道、開かれる】>>

 保食神が斬り殺された後、その神体が五穀や蚕(かいこ)に変化したというのも、今の人間的な常識からは信じ難いことですが、保食神の父神である迦具土神(かぐつちのかみ)も神代第二期において、伊邪那岐神の十拳剣(とつかのつるぎ)によって斬り殺され、その時の血が岩石群となり、またその霊気によって健(たけ)き神々が次々と誕生し、その後迦具土神の神体は高天原(太陽神界)に上昇して天香具山(あめのかぐやま)となったことも伝えられており、保食神が斬り殺された後、神体からさまざまな生命体が発生したことを思えば、父神の因縁を引き継ぎ、同じように剣尸解の道をたどったものとうかがわれます。 #0052【火神の剣尸解(1)】>> #0053【火神の剣尸解(2)】>>

 また、魚類や動植物たちは、わたしたちが生命を維持するために自らの肉体を犠牲にして食材となりますが、これらのものが人間のために自らの肉体を犠牲にするのは、保食神が自らの肉体を犠牲にして生み出したという因縁を受け継いだものといえるでしょう。さらに、人間が食する時には刀剣(包丁など)と火によってこれらの食材を調理しますが、これも十拳剣と火神との因縁によるものと考えられます。

 わたしたち人間は、普段は全く気にも留めず、当たり前のように食事をしていますが、このような神伝の事実を知ることにより、食事をすることによってどれだけの犠牲が支払われているか、また、それだけの犠牲によって生きているのならば、宇宙の一角を占めて地球上に存在する生命体として、また万物の霊長として、あるいは尊き神々の神孫として、精一杯の努力をしているか?神々の意に沿った生き方をしているか?神の一微分子である自分の魂の響きを聞いているか?…など、さまざまな想いが頭をよぎります。 #0003【「たましひ」の響き】>> #0012【人間は万物の霊長】>> 

 必要以上の殺生をしたり、食物を粗末にすることは、天地自然の摂理から考えても明らかに青人草(あおひとくさ、人類のこと)の道を外れており、その罪は必ず往復循環して何らかの形で人類に還ってくることでしょう。あるいは魂の行方を考えた時、今度は自らが人間の食料として肉体を犠牲にする立場になることもあり得るのかもしれません。(生涯を終えた人間の魂が、再び人間として生まれ変わるとは限らず、動植物や、まれには石として再生されることも少なくないことが伝えられています。とくに人間に飼われている動物は、前世人間の魂をもっていることが多いようです。) #0001【「往復循環の法則」という自然の摂理】>> #0013【「生まれ変わり」の事実(1)】>> #0014【「生まれ変わり」の事実(2)】>> 

 本居宣長先生はこの保食神(またのご神名を豊宇気姫神)について、「朝よひに、物食ふごとに豊宇気の、神の恵みを思へ世の人」と詠み置かれていますが、今も天照大御神とともに、伊勢の内宮・外宮をはじめ、多くの神社に斎(いつ)き祀られています。

「神風(かむかぜ)ノ伊勢ノ国。渡会(わたらい)ノ宇治ノ五十鈴(いすず)ノ川上ニ。大宮柱(おおみやばしら)太敷立(ふとしきたて)。高天原ニ千木(ちぎ)高知坐(たかしりま)ス。皇大神宮(こうだいじんぐう)ノ大御前(おおみまえ)ヲ始メ奉(まつ)リテ。山田原(やまだのはら)ニ鎮マリ坐(ま)ス豊受大神宮(とようけだいじんぐう)ノ大前(おおまえ)。両宮(ふたみや)ノ相殿(あいどの)ト別宮(わきみや)ニ坐(ま)セ奉(まつ)レル皇大神等(すめおおかみたち)ノ宇豆(うづ)ノ広前(ひろまえ)ヲ遥(はろか)ニ拝(おろが)ミ奉(まつ)リテ。恩頼(みたまのふゆ)ヲ拝(おろが)ミ奉(まつ)リ辱(かたじけな)ミ奉(まつ)ラクト畏(かしこ)ミ畏(かしこ)ミモ白(まお)ス。」『神宮大社全国神社遥拝詞』より
 
 
 
清風道人
カテゴリ:日本の神伝
 

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