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#00107 2011.6.3
大国主神と須勢理姫神の運命的出会い
 
 
「ここにその御祖(みおや)、その子(みこ)に告(の)りたまはく、「汝(いまし)ここにあらば、遂に八十神(やそがみ)に滅(ころ)されなむ」と言(の)りたまひて、すなはち木国(きのくに)の大屋毘古神(おおやびこのかみ)の御所(みもと)に速(いそ)がし遣(や)りたまひき。」『古事記』

 御祖(みおや)とは、大穴牟遅神(おおなむちのかみ)の母神である刺国若比売命(さしくにわかひめのみこと)のことですが、「このままでは、大穴牟遅神は八十神たちに殺されてしまう」と考え、木国(きのくに)の大屋毘古神(おおやびこのかみ)のもとへ急いで遣(つか)わしたという伝です。木国の大屋毘古神とは、別のご神名を五十猛神(いそたけるのかみ)、または禍津日神(まがつひのかみ)といい、幽界より須佐之男命に付き添う神です。 #0060【禊ぎ祓えの神術】>> #0084【五十猛神の功業】>>
 この時のことを平田篤胤先生も、「大屋毘古神は須佐之男命に常に添い給う魂神で、この神の御所(みもと)に遣(つか)わし給いしは御母神の深い神量(かむはかり)なり」と論じておられるように、「須佐之男命に常に通じているこの神のところに大穴牟遅神を遣わせば、必ずこの神の深き神量もあるに違いない」との母神の御心とうかがわれます。また、この時既に大穴牟遅神は、胎生の国津神として生まれながら、尸解の神術によって霊妙自在な神体を結成し、木国という幽界にも入ることが可能な化生神に匹敵するほどの高徳の大神に変貌していることがわかります。 #0049【化生神と胎生神】>> #0051【尸解の神術】>> #0104【大国主神の受難】>> 

「ここに大屋毘古神、子(みこ)に告(の)りたまはく、「須佐之男命のます根堅州国(ねのかたすくに)に参向(まいむか)ふべし。必ずその大神、議(はか)りたまひなむ」と云(の)りたまひき。かれ、詔命(みことのり)の随(まにま)に須佐之男命の御所(みもと)に参到(まいいた)れば、その女(むすめ)須勢理比売(すせりひめ)出で見て、目合(まぐわい)して相婚(みあ)ひまして、還(かえ)り入りてその父に、「いと麗しき神来ましつ」と白(まお)したまひき。ここにその大神出で見て、「此(こ)は葦原色許男命(あしはらしこおのみこと)と謂(い)ふ神ぞ」と告(の)りたまひて」『古事記』

 大穴牟遅神と対面した大屋毘古神は、須佐之男命のます根堅州国(黄泉国)に行くように進言しますが、これは大穴牟遅神の神性が他の国津神とは異なることを認め、この神ならば須佐之男命の神慮に叶うであろうということからの神量(かむはかり)とうかがわれます。(この時は月(黄泉国)が地球から分体した後ですが、須佐之男命のます黄泉国は月界にある黄泉の本府ではなく、地球内部にある黄泉国と考えられます。なぜなら後継の地球主宰神の任命がまだ終わっておらず、また月界へ入ってからの須佐之男命のご神名は「月読命(つきよみのみこと)」です。) #0062【三貴子の誕生】>> #0069【神代第三期のはじまり -月の分体-】>> #0088【須佐之男命の行方】>> 

 須勢理姫神は天照大御神と宇気比の神術を行った際に生まれた女神ですが、須佐之男命にとっても特に由緒ある御娘で、この姫神の配偶となるべき高徳の神もまだ現れていないため、このように黄泉国まで身許(みもと)において寵愛されるものとうかがわれます。そしてこの時根国に至った大穴牟遅神を須勢理姫神は見初め、この神が特に優れた神であることを悟って目合いし、この神こそ配偶の神であると御心の内に定め、それを父神に報告したということです。 #0055【神々の分体と合体】>> #0072【宇気比の神術】>> #0089【桃の神秘】>> 

 スセリヒメというご神名は、御心が「ソソル」ことより名付けられたものとうかがわれますが、スセリはまた「進む」という意味もあり、「天(あま)そそる」は天に昇り進むようすを表しており、また俗に、人の心が浮き立ち進むことを「そそられる」といいます。
 次に「此(こ)は葦原色許男命と謂(い)ふ神ぞ」とありますが、「葦原色許男命」とは大穴牟遅神の幼名であり、須佐之男命が黄泉国に入る前に誕生していたため、かねてからそのご神名を知っていたものと推量されます。 #0101【神代第四期のはじまり】>>
 
 
 
清風道人
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