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#00480 2017.6.19
扶桑皇典(10) -顕幽分界-
 
 
 神代といふを、人ならぬ神の時代と思へるもあり、唯、何となき上代の事と思へるもあり、また朝鮮の太古の称ならんと思へるもあり、高天原の事ならんと思へるもあるは、神代といふ事、日本にのみ有りて、外国の歴史に無ければにて、その神の時代と思へるは、神の御事の多く見えたるが為にて、唯、上代の事と思へるは、外国の上古史にも不可思議なる記事ありて、神または神の如き人の見えたるが為にて、朝鮮の太古の称ならんと思へるは、天孫降臨といふを、外国より来(きた)ると信じ、その外国は近き朝鮮ならんとの考へより思へるにて、何の証の在るにもあらず。また、高天原の事ならんと思へるは、高天原の記事の見えたるが為なり。 #0221【神道宇宙観略説(12) -日本の神典は世界無二の実典-】>>

 然れども、これ皆『日本書紀』に、神武天皇を以て人皇の最初の天皇として、それ以前を神代として、別に『神代紀』を添へたるが為に、神代は自然に、人皇の世とは異なる、一種の時代なるが如き趣を呈したるなれど、神代とて、然る一種の時代の在るにはあらず、唯、人皇の以前を、仮に名付けたる称なれど、日本にのみ然る称あるは、故ある事にて、次にいふ顕幽分界といふ事ありて、その事より、時代をさへ区別する事となりて然るなるが、然れば顕幽分界以前を神代とし、その以後を人皇の世とすべきにて、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の御降臨を以て区別せざる可らずを、いかにしてか、『日本書紀』は神武天皇を以て筆を起こせり。 #0024【幽顕分界という歴史的事実】>>
 然れど、同じ選者の『古事記』には、神代紀といふは無くて、天地開闢以来を、始終一筆にて書き下せり。然れば、神代といふは、別に立てずてもあるべきなれど、強(し)ひて立てんとならば、顕幽分界を以て前後とすべきなり。 #0189【『古事記序文』解説(1)】>>

 顕幽分界とは、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)御降臨の時にありし事にて、葦原中国(あしはらのなかつくに)は当時、大国主神の知召(しろしめ)しゝ国なりしを、高皇産霊神・天照大御神の御心として、天孫に奉らしめ給ひし程に、大国主神は、「然らば、己は百不足(ももたらず)八十坰手(やそのくまで)に隠れ侍ひなん」と宣(のたま)ひし事ありて、爾来、天孫は葦原中国におはしまして、顕界の人事を知召し、大国主神は八十坰手におはしまして、幽界の神事を知召す事となりて、天孫は国土の顕事(あらわごと)主宰(つかさど)り給ひ、大国主神は冥府の幽事(かくりごと)を主宰り給ひ、然れば、神と人とは区別せられて、神は幽界に属し、人は顕界に属するを以て、人は神に雑(まじわ)る事を得ずと雖(いえど)も、魂魄は幽界に属するを以て、生霊、死霊は神に似たる動作(はたらき)を為す事あり。 #0101【神代第四期のはじまり】>> #0135【地球上の幽顕の組織定まる】>>

 然るに、この幽顕分界は、専ら神と人との上に在りて、鳥獣の類(たぐい)には及ばざるにや、雉子(きぎし)は地震を前知して鳴く事ありといひ、鼠は火災を前知して居を移す事ありといへり。 #0025【密接に関わりあう顕と幽】>> #0108【動植物も言語を発する神代の時代】>>
 殊に、狐狸(こり)の類の、種々の妖を為すは、顕幽に出入りする故にて、分界以前には、人もまた神の如くにて、諸神に雑りしも、顕幽分界定まりての後は、顕界の人は、肉身ながらには神に接する事能(あた)はずと雖も、肉身を離れたる霊魂は、自由に神にも接する事を得べきなり。 #0144【『仙境異聞』(9) -人や鳥獣の魂の行方-】>> #0146【『仙境異聞』(11) -狐が人に憑く?-】>> #0258【『幽界物語』(28) -参澤先生の霊的体験-】>> #0275【『幽界物語』(45) -人霊の行方-】>>
 「百不足(ももたらず)八十坰手」といふは、幽界を広くいへる言にて、『万葉集』の中にも、「百不足八十隈坂に手向けせば、過ぎにし人に、けだし逢はんかも」と詠めるが如く、総て人の死後の霊魂の居(お)る所なり。 #0010【「死」と呼ばれる現象】>> #0023【この世界だけがすべてではない】>>
 
 
 
清風道人
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#00144 2011.12.14
『仙境異聞』の研究(9) -人や鳥獣の魂の行方-
『仙境異聞』( #0136【『仙境異聞』の研究(1) -概略-】>> )より(現代語訳:清風道人)

平田先生 「人の魂の行方はどのようになるのかを師に聞いたことはないか。」

寅吉 「まず人の魂は、善にも悪にも凝り固まりますので、固まって消えることなく、中でも悪念が凝結した魂は、消える期(とき)なく、妖魔の群れに入って永く神明の罰
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#00135 2011.10.25
地球上の幽顕の組織定まる
「かれ、建御雷神(たけみかづちのかみ)返り参上(まいのぼ)りて、葦原中国(あしはらのなかつくに)を言(こと)向け和平(やわ)しぬる状(さま)を復奏(かえりごとまお)したまひき。」『古事記』

 天津神の正使として天降った建御雷神(たけみかづちのかみ)は、大国主神が葦原中国(地球)を皇孫命(すめみまのみこと)に奉ることを了承して、幽界(かくりよ
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#00108 2011.6.8
動植物も言語を発する神代の時代
「すなはち喚(よ)び入れて、その蛇(へみ)の室(むろや)に寝しめたまひき。ここにその妻須勢理毘売命(すせりびめのみこと)、蛇の比礼(ひれ)をその夫(ひこぢ)に授けて云(の)りたまはく、「その蛇、咋(く)はむとせば、この比礼を三(み)たび挙(ふ)りて打ち撥(はら)ひたまへ」と云(の)りたまふ。かれ、教(おしえ)の如(ごと)せしかば、蛇、自ずから静
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#00101 2011.4.29
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 往古、この地の世界において、造化気運の変遷に伴う幽政上の画期的一大変革が行われました。それは、天孫降臨に先立って行われた幽顕分界(幽界と顕界を完全に分離すること)です。 #0023【この世界だけがすべてではない】>> #0024【幽顕分界という歴史的事実】>> 
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#0025 2010.4.12
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#0024 2010.4.6
幽顕分界という歴史的事実
 日本の古伝によると、世のはじめ、いわゆる「神代」といわれる時代は、現在のように顕界(あらわよ)と幽界(かくりよ)とが判然と分かれていなかったために、神と呼ばれる存在と人間とが雑居する時代でした。 #0023【この世界だけがすべてではない】>> 
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#0023 2010.3.31
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#0010 2010.1.20
「死」と呼ばれる現象
 日本古学によれば、人は死亡と同時に天国へ昇ったり地獄へ直行したりするものではありません。また、よほどの悪行をはたらいて悪因縁をつくった者とか、恨みや憎しみの念で凝り固まった者、あるいは自殺をはかった者でなければ、死の直前の苦痛というものはほとんど感じないのが普通です。ただ、生前に霊魂の存在とか死後のことなどにまったく無関心だった人は、自分が死
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