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#00538 2018.6.7 |
神剣之記(1) -地界修理固成の大神業-
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(清風道人云、この『神剣之記』は、神仙道本部を主宰された清水宗徳先生(道号・南岳)が、「天沼矛(あめのぬほこ)は韴霊剣(ふつのみたま)なりとの師説を承けて」と副題されて、昭和二十七年十二月三十一日付の広報誌上で公開された論考です。 #0382【水位先生の門流(4) -道統第四代・南岳先生-】>> )
我が大地は伊邪那岐大神及び伊邪那美大神二柱の神の御神業によりて修理固成されたものでありますが、二神は天神(あまつかみ)諸々の詔命(みこと)を詔(う)けて天沼矛を賜り、この矛を以てまずこの地界を凝結されたことが神典に伝えられております。 #0473【扶桑皇典(3) -天地開闢・上-】>>
即ち伊邪那岐・伊邪那美二神の最初の御神業は、まずこの天沼矛を以て嚆矢(こうし)と致しますので、かく二神によりて固成されたる地界に結び出された地上の人類としては、その修理固成根元の霊器たる天沼矛について深き関心が払われなければならぬ筈でありますが、古来神典を説く者の眼力一つとしてこゝに及ばず、莫(ばく)として雲霧の如き謎に蔽(かく)されたるまゝに有史無史幾千秋を経過したのであります。
然るほどに、時なるかな、不世出の神人・宮地水位先師の天賦の霊眼は、幾千秋の神霧を闢(ひら)いて、初めてその天窓の深秘を洞察し、天神直授の神器たる天沼矛の神秘に触れて、微言神語を遺されているのであります。 #0316【『異境備忘録』の研究(1) -概略-】>> 世は挙げてクラゲナスタヾヨヘルの時、癸巳歳旦(きしさいたん)の思念の初発として、タヾヨヘル国を修理固成せる至尊貴宝の大元・天沼矛の消息について、師説の一端を御紹介致したいと思います。
敬みて神典を案じまするに、神代の昔、天神諸々の詔命を以て、皇御祖神(すめみおやかむ)伊邪那岐命・伊邪那美命二柱の神に、この国土を修理固成すべく天沼矛を賜りて言依(ことよさ)せられました。 当時の地界は固より今の如き国土ではなく、『古事記』に所謂(いわゆる)「タヾヨヘルクニ」で、神代七世のうちの泥土根尊(ういぢねのみこと)・沙土根尊(すひぢねのみこと)の代でありますから、降り立つべき国土とては有ること無く、二神は大空の天浮橋(あめのうきはし)より天沼矛を指し下して滄海(あおうなばら)を探(かきさぐ)り、塩こをろこをろに画(か)き鳴(な)して引き上げ給う時に、その矛の鋒(さき)より垂り落つる潮、結(こ)りて一つの島と成る、これ淤能碁呂島(おのごろしま)で、二神はかくオノゴロシマをまず凝固して初めてその島に天降り坐したので、これが我が大地に天神の第一歩を印せられし始めでありますが、『日本書紀』の一書(あるふみ)に、「物有り、浮かべる膏(あぶら)の如し。その中に蓋(けだ)し国あらむかと曰(のたま)ひて、乃(すなわ)ち天之瓊矛を以て一つの島を探り成す」とあるに合せ見れば、当時の地界の状態が想像されるのであります。 #0032【太陽の成立】>> #0034【地球の修理固成】>> #0035【神代第一期補遺(1)】>> #0122【天浮橋は空中の気道】>>
我々地上万物出自の物実(ものざね)たるべき大地はかくて固め成されたのでありますが、この国土凝結の御神業に二神の用い給いし天沼矛(天之瓊矛)こそは、実に天神の賜りし神器の第一最初の物でありまして、二神もこの神器の霊徳を借りて始めて万物出自の物実たる大地修理固成の大神業を達成せられたのであります。
さればこの天沼矛の神器こそは、造化三神を始め諸々の天神等(あまつかみたち)の霊徳を憑(つ)き寄らせ給いし至尊重貴の霊宝でありますが、国土修理固成の神業を終えさせられし後、果たして又いかなる御神功に寄与せさせ給い、又その後、諸々の神々の御功業にいかに御顕現せられたでありましょうか、思いみるだに畏(かしこ)き極みであります。 |
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カテゴリ:神剣之記 |
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#00473 2017.5.7
扶桑皇典(3) -天地開闢・上-
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天地の開闢を説かんとするに、世の学者は理論を以て推定せんとして、「太陽は一大火集なり、火雲の凝集せるなり。大地は岩球、岩層の二大部分を以て説くべし。月と星とは、その質、地球と同じくして、共に太陽の光輝を受けて耀くなり」と論ずれども、これは物ありて後の論にして、一物無き代の論にはあらず。
然れば、開闢の時の如き、未だ一物も無き時の事は、そ
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カテゴリ:扶桑皇典 |
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#00382 2015.11.2
水位先生の門流(4) -道統第四代・南岳先生-
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かくして宮地威夫先生が方全先生より継承された道統並びに学系は、神仙道本部を主宰された清水宗徳先生(道号・南岳)に引き継がれましたが、伝法類の整理や伝書類の作成に多忙を極められ、また本部の運営にも大変苦労されたようで、見かねた威夫先生が「道業上の苦しみは道士皆で分け合えば良いと思う、道士皆の道福となって還ってくることだから。苦しみを分け合うこと
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カテゴリ:水位先生の門流 |
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#00316 2014.9.26
『異境備忘録』の研究(1) -概略-
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『異境備忘録』は土佐国・潮江天満宮の神官であった宮地水位先生によって著わされた幽真界の実相に関する記録ですが、文字通り備忘録で、先生が神仙界や諸多の幽境に出入りされた際の見聞の一端をメモ程度に記しておかれたものであり、記述が体系的でなく、首尾一貫性を欠き、内容も玉石混交であるのはそのためです。 しかしながら、その記述の多くには幽顕交通された
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カテゴリ:『異境備忘録』の研究 |
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#00122 2011.8.20
天浮橋は空中の気道
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「ここに天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、天浮橋(あめのうきはし)に立たして詔(の)りたまはく、「豊葦原之千秋長五百秋之水穂之国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに)は、いたくさやぎて有りけり」と告(の)りたまひて、さらに還り上りて天照大御神に請(まお)したまひき。」『古事記』
神々が天地の間を通う際に、「浮橋」とか「磐
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カテゴリ:日本の神伝 |
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#0035 2010.6.10
神代第一期補遺(1)
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「次に成りし神の名は、国之常立神(くにのとこたちのかみ)、次に豊雲野神(とよくもぬのかみ)。この二柱の神も独神(ひとりかみ)と成りまして、隠身(かくりみ)なり。 次に成りし神の名は、宇比地邇神(うひぢにのかみ)、次に妹(いも)須比智邇神(すひぢにのかみ)。次に角杙神(つのくひのかみ)、次に妹(いも)活杙神(いくひのかみ)。次に意冨斗能地神(おほ
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カテゴリ:日本の神伝 |
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#0034 2010.6.3
地球の修理固成
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その後の「神世七代(かみよななよ)」と呼ばれる時代の最後に、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)、伊邪那美神(いざなみのかみ)と呼ばれる男徳(膨張力)と女徳(縮引力)をそなえた陰陽二柱の神が生まれ、別天の神より「この漂へる国を修理固成(つくりかためな)せ」という勅命を受け、「天沼矛(あめのぬほこ)」を賜わったことが『古事記』に記されています。 |
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#0032 2010.5.22
太陽の成立
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「次に国稚(いし)く、浮脂(うきあぶら)の如くして、海月(くらげ)なす漂える時に、葦牙(あしかび)の如く萌え騰(あ)がる物によりて成りませる神の名は、宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)、次に天之常立神(あめのとこたちのかみ)、この二柱(ふたはしら)の神も独神(ひとりかみ)成りまして、隠身(かくりみ)なり。上の件(くだり)の五柱
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