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#0037 2010.6.20
祈りのメカニズム(1)
 
 
 人間が「万物の霊長」といわれるゆえんは、他の動物と違って、モノを造化する能力があることと、もう一つは祈る力をもっていることです。 #0012【人間は万物の霊長】>> この大宇宙は大元霊である天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)の祈りの心の表現であるともいえますが、 #0028【霊・気・質の関係】>> #0029【造化大元霊】>> すべての生命体はこの大元霊の分霊であり、当然あらゆる生きとし生けるものは祈るという霊力をもっています。しかしながら、顕界ではその力において人間に勝る生命体は存在しません。 #0023【この世界だけがすべてではない】>>

 わたしたちは、愛する人が病気で苦しんでいる時、何とかして早く元気になってほしいと思うでしょう。また会社の経営者ならば、常に会社が繁栄することを考えるでしょう。ノルマを抱えた営業マンは、何とかノルマを達成できないかと念願しているはずです。このようにわたしたち人間は、現在に対してか、未来に対してか、また家庭についてか、社会についてか、四六時中何らかの念願を抱いており、いわば祈り続けの生活をしているといえます。そして念願が成就する場合もあれば、残念ながら成就しない場合もありますが、これは祈りが現実の世界で成果として現れるか現れないかの差であるともいえます。ならば、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があるように、人間的努力を怠ることはもちろん論外ですが、この祈りの力をどのように発揮するかによって幸・不幸が決まるといっても差し支えない訳で、この「祈りのメカニズム」の究明は、それこそ誰もが念願するところでしょう。

 カール・グスタフ・ユング(1875-1961)は、「分析心理学」の理論を説いたスイス人の精神科医ですが、オーストリアの精神分析学者であったジークムント・フロイト(1856-1939)の「自由連想法」を応用した言語連想実験により、人間の心には「意識されていない感情と観念の複合体」が存在していることを確認し、それを「コンプレックス」と名づけました。しかも彼の患者たちが語るイメージには不思議な共通点があり、それは世界各地に伝わる神話と一致することを発見し、人類には何か共通の素地があると考え、それを「集合的無意識」と名づけました。日本古学では、この人間の意識外にある「コンプレックス」や「集合的無意識」を含めて「たましひ」と呼んでいます。 #0003【「たましひ」の響き】>> #0004【わたしたちの生命は太陽と同質?】>> #0009【生命が宿る瞬間】>>

 祈りを生み出す根元である霊魂(たましい)は幽界に属し、その本質は簡単に究明できるものではなく、玄妙不測の魂徳の一側面を、ある限定された角度からうかがい知るに過ぎませんが、「人生とは何ぞや?」あるいは「人生における幸福とは?」という誰もが一度は思い悩む大命題を解決するには、この霊魂の究明が必要不可欠であるといえるでしょう。 #0025【密接に関わりあう顕と幽】>>
 
 
 
清風道人
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