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#00830 2023.4.4 |
天地組織之原理(71) -人類と禽獣類の身体組織-
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前に講じたる地球が横位に倒れたりと云ふに就ては神典明文上の道理は講じたれども、その他に参考とすべきことがありますから、こゝに一つの話を加へ置くことに致します。 #0828【天地組織之原理(69) -地球の傾倒-】>> 如何となれば、今日天地の間に生活する所の人間の身体を始め他の動物類の身体組織は如何なるものと云ふことを考ふべきであります。まず人間の身体の組織は、坤軸(こんじく)と云ふべき大骨は縦向きのものでありますが、これに反して他の動物類所謂(いわゆる)禽獣魚類の坤軸と云ふべき大骨は皆横向きのものであります。故に人間と他動物とを比すればその身体組織の第一たる大骨に縦横の別あるは目前実物の上に於て疑ひ無ひことであります。
尤も多少変体のものもあるべしと雖(いえど)も、かくの如く人間と他動物と大骨に縦横の別あることは全く造化の御作為なることも云ふまでも無ひことでありますが、その大骨に縦横の差あるは何等の原理より起こると云ふことは未だ理学にてもあまり聞かぬことであります故に、まずこの事を一つの参考とし、加ふるに地球上の万物がたとへ夜間地球の倒(さかさ)まになりて自転する時と雖も倒まになりたりと感ぜざるのは、大地に吸引せらるゝ事と外部の圧力に圧せらるゝによりて地球の回転に感ぜざるなりと云ふ理学の論をも考へ合せて、その万物大地に吸引するものは何物なりと云へば、第一期に講じたる通り地球の内部中心にある沼矛の吸引力によるものと云ふことを思ひ起こして考ふる時は、地球の大坤軸と人間その他動物類の大骨とは身体の組織に就て特に親しき関係あるべき理(ことわり)あるものと云ふことも知らるゝのであります。 #0775【天地組織之原理(16) -造化の秘蘊-】>>
而して又これに加ふるに、人間の始祖の出来たるは何れの時代、禽獣の始祖の出来たるは何れの時代と云ふことを考へてみると、人間の始祖の出来たるは第二期の始め、伊邪那美命の体生し給ひし八百万神の神孫が青人草と云ふことはよく判ってあることであります。 #0800【天地組織之原理(41) -体生の八百万神-】>> 又禽獣の始祖の出来たるはこの次の伝へに、須佐之男命再び天照大御神の神勅によりて保食神(うけもちのかみ)の御許に降り給ひ、食物を乞ひし時に至りて初めて保食神の口より吹き成し給ひ、その始祖の起こりたるものなることも神伝の明文に照々として疑ひ無きことであります。
故にこの神典の明文と前に参考までに申し置きたる人間と禽獣との大骨の縦横に成れる実物とを比較し、造化自然の道理を推す時は、伊邪那岐・伊邪那美命の生み給へる人間の始祖は第二期の始めに起こりて、未だ地球の坤軸所謂沼矛は太陽に向って縦向きにある時の元種なるが故に、その子孫たる人間の身体中の坤軸たる大骨は自ずから太陽に向って縦向きにあるを本位とするのであります。 又禽獣魚の類は地球の坤軸横位に転じたる後に保食神よりその始祖の起こりたるものなるが故に、身体中の大骨も悉(ことごと)く太陽に背きて横向きに成りたるは、全く地球の坤軸と人間その他の動物の坤軸たる大骨と吸引力の関係に起こりたるものと云ふ理あるは、身体組織の上にその明証の存したるものと思はるゝ程であります。
かくの如き道理あるが故に、禽獣をしてもし人間と同じく第二期にその始祖を生ぜしめば人と同じく縦向きの大骨を受け、これを原性とするが故に、その後に至りて地球の坤軸が倒れたりとも尚縦体の禽獣たるべし。これに反して人間をしてもし第三期地球の倒れたる後に至りてその始祖を生ぜしめば、又必ず今日に至るまで横体の人たるべき理ならんと思はるゝのであります。
尤も天地万物常変の両道あるものなれば多少変体のものもあるべしと雖も、その常より論ずればかくの如く判然と人間と禽獣とを縦体と横体とに成し給ふその原理は、全く地球の坤軸縦横の位置を転じたる前後に起因するものと云ふことは必ず自得せらるゝ所もあるでありませう。 世の進化論を唱ふる者、大骨横向きの下等動物より進化して大骨縦位の人間と成りしなど云ふ人、これを何とか云はん。偶々(たまたま)狐狸の類は妖術を以て一時人と化したりと見すれども、真に人に化すること無きものと云ふことはよく知れてあることでありますから、これ等のことをも参考として講究致されたひのであります。 #0506【扶桑皇典(36) -狐狸-】>> #0824【天地組織之原理(65) -進化論-】>> |
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カテゴリ:天地組織之原理 |
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▼関連記事一覧 |
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#00828 2023.3.23
天地組織之原理(69) -地球の傾倒-
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「故(かれ)、伊邪那岐大御神、速須佐之男命に詔(の)りたまはく、何由(なにゆえ)に汝(いまし)は事依(ことよさ)せし国を治(し)らさずして哭(な)きいさちると爾(の)りたまへば、答白(まお)したまはく、僕(あ)は妣(はは)の国、根之堅州国(ねのかたすくに)に罷(まか)らむと欲(おも)ふ故に哭(な)くと白(まお)したまひき。」
この明文は語
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#00824 2023.2.27
天地組織之原理(65) -進化論-
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前に論じたる地球発育の理(ことわり)に於て神典に伝ふる所の道理を推す時は、凝結の気は神代第一期物質凝固世期より第二期の始めまでを最も凝固甚だしき時代とすべきものなれども、地球上凝固の気は今日尚存在するが故に、万物共にその始め柔軟なる小さきものを元種として漸々(ようよう)と順化膨張し、その膨張するに随ひ凝結して動植物とも成れるものなるは論ずるま
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#00800 2022.10.6
天地組織之原理(41) -体生の八百万神-
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祝詞曰く、「神(かむ)伊邪那岐・伊邪那美命、妹背(いもせ)二柱の嫁継(とつぎ)給ひて国の八十国(やそくに)島の八十島を生み給ひ、八百万神等(やおよろずのかみたち)を生み給ひて、麻奈弟子(まなおとこ)に火結神(ほむすびのかみ)を生み給ふ。」
こゝに挙げたる明文は鎮火祭の祝詞の古文にて、平田先哲もこの祝詞は最も太古の正伝にして記紀の誤りをも正
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#00596 2019.5.30
生類の霊異(29) -狐(古人の記述・下)-
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狐の妖魅を為すこと、和漢珍しからず。我、雪中にはあかりを取らん為、二階の窓のもとにて書案に倚(よ)る。 或る時、故人・鵬斎先生より菓子一折を贈らる。その夜寝んとする時、狐害を慮り、菓子折を紵縄(あさなわ)にて縛り天井高く吊り置きたり。さて朝に見れば、くゝしたる縄は依然として元の如くにて、菓子折は人の置きたるやうに書案の上にあり、披(ひら)き
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