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#00835 2023.5.4
天地組織之原理(76) -皇上の大主権-
 
 
 或る人問ふ、御弁明によりて天安河の如何と云ふ疑点は初めて散じたり。御説の通りこの地球の外部は大体水玉の如きものなるに、内部に空虚の所もあり、又火気もあるを以ても、太陽はこの地球より数百万倍も大なるものなれば必ず内部には何かあるべき理(ことわり)なるは、この地球を以てもこれに数百万倍の国土もあるべき理なるは推歩の上より道理を推すも考へ及ぶべきことなるに、遠く離れて至ることの成らざるより単に火玉の大なるものにて地球などを暖むる為の機械の如く想像したるは、魚類が人間界のことを疑ふも一般、人間として恥ずべき至りにて、夏虫氷を疑ふの部に入れ置かれても致し方の無きことなれば、天安河のことは疑点も散じたれども、今一言承りたきことは、五男三女神は奇成神と承るに、神代第三期に至りては造化の気運改まりたるを以て、この地球にては奇成の神は出顕坐さゞるとのことは予(かね)て承りたる所なるを、太陽にてはこの後とても神等(かみたち)は奇成の出顕あるものなりや。 #0833【天地組織之原理(74) -宇気比の神術-】>> #0834【天地組織之原理(75) -天安河の実在-】>>

 答ふ、御質問の通り地球にて奇成の神出顕坐したるは第二期の気運に限りたることにて、第三期後に至りては一柱だに地球にて奇成神出顕坐すこと無きに、日球高天原にては前後とも更に合歓(ねむ)の道より体生し給ふ神は無きものにて、何れの神の御子を成し給ふも皆奇成の出顕と窺ひ奉らるゝなり。 #0798【天地組織之原理(39) -神霊変化の世期-】>>
 この奇成のことに就ても物に因り給ふと直(じか)に神霊より奇成し給ふの別あれども、それは明文にて何れも判然たれば解を俟たずして明らかなるべし。

 この奇成神出顕のことに就ては最も初学の疑ひあるものなれども、第二期変化玄妙世期の講述を聞かれたる人に於ては奇成のことに就ては弁解を俟たず自得せられたることなるべけれども、尚御注意までに申し置くべし。
 第一期・第二期にも示し置きたる通り、今日後世界の人にて遠く神代のことを研究せんとするには、吾神典は前世界のことにて太陽地球往復のありし太古のことなりとの着眼にて考ふべきものなるが故に、後世界たる物質世界のことのみを以て比較せんとすれば必ず奇談とか怪談とか思はるゝものなれども、天地開闢より今日までの順序を推して古伝の明文に随ひ、これを道理に訴ふる時は、前々にも講じたる通り造化の真理なること明らかなるものなればその心にて講究あるべし。

 さてこゝに君位の神と臣位の神の別あることを弁じ置くべし。既にこの時は天照大御神と須佐之男命と天地両主宰の大権を持し給ふ大神にして御誠心を誓ひ給ひしのみならず、特に両大神の剣・玉を御物実(ものざね)として御誠心の御感動より成り出で給へる男御子の内、第一の御長子と坐す天之忍穂耳命の御神系によりて成り出で給へる皇孫・邇々芸命を地球顕政の主宰として天降し給ふも、天地両大主権の大神等の御間の承祖の神孫なるが為に、万々世一系正統にその主権を継承成し給ふは全く造化大元霊天之御中主神の大主権より承り遊ばさるゝ所にして、吾皇上の大主権は人間の可否すべき如き主権には非ざるものなり。

 深く造化の原理を推して、主権は承祖の神裔より出でゝ万世に貫くものなると云ふことを弁へ、この次々の順序を推して吾天皇陛下の万世一系の主権は地球上無比なる所以を弁へ、国体の尊厳なる原理を窺ひ奉り、君臣の大義を明らかにしこれを精神に銘じて忘るべからざるものなり。尚これ等の講究は第五期に至り皇孫命降臨の伝を講ずるを俟たるべし。
 かくの如く神明にも君位と臣位の別あり、神孫たる人間何ぞ君臣の別無かるべけんや。嗚呼(ああ)吾国体の起因こゝにあり。尊きかも厳なるかも。

 吾神典なるものはかゝる至要のことを伝へたる書なるを、世の学識ある人の内にも時勢に合はざる迂遠(うえん)なる書の如く思ひ、神代のことはこれを度外に措くの類あるは慨嘆の至りなれば、この筆記を一読同感の諸氏に於ては、必ずそれ等の人にこの講述を一見あらんことを誘ひ給はりて、神典は迂遠の書に非ざるを知らしめ給はんことを。
 実に近時の風潮、物質文化に走るの弊よりして、高尚玄妙の幽理あるものは無用の長物とするの傾向あれども、それは仙術など濫りに学ばんとするは顕世のことには迂遠とも云ふべけれども、神道なるものは神人調和の大道にして、顕世界人間の上に大関係を有するものなるはこの筆記を一読あらば必ず同感なるべしと信ずるなり。
 
 
 
清風道人
カテゴリ:天地組織之原理
 

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