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#00780 2022.6.8
天地組織之原理(21) -造化の真伝-
 
 
「こゝにその妹(いも)伊邪那美命に、汝身(ながみ)は如何にか成れると問ひ給へば、吾身(あがみ)は成り成りて、成り合ざる所一所在りと答(まお)し給ひき。こゝに伊邪那岐命詔(の)り給はく、吾身は成り成りて、成り余れる所一所あり。故(かれ)、この吾身の成り余れる所を以て、汝身の成り合ざる所に刺し塞ぎて、国土(くに)生み成さむとおもふはいかにとのり給へば、伊邪那美命、然(しか)善(よ)けむと答(まお)し給ひき。」

 この明文は別に解釈を加ふるに及ばず。本文の儘にてよく聞こえたることなればこゝに細密なる語解を省くが故に、語解等の委しきことは両先哲の伝を合せ見て知るべし。
 この古伝に就ては、近時の説には吾神代の伝なるものは古代の小説なりと云ふが如き妄説も起こり、又この両神合歓(ねむ)の道を開き給ふは万世不易造化の後栄を起こし給ふ神業なることをも弁へず、単に猥褻(わいせつ)の如く思ふ者少なからず。既に洋人・某(なにがし)が吾古伝説を評したるにも、この所の伝説は只猥褻にして厭(いと)ふべき事とのみ見たるものゝ如し。

 実に他の道学を講ずる人造の経書等の上より云ふ時はかく評せざるを得ざる伝へにして、一応厭ふべきことの如くも聞こゆれども、これ等の説は未だ人為の教説を信奉する習慣より出ずるものゝ外ならず。
 人為を去り天地の真理・造化の定則を窺ふに至りては、この神業こそ地球上に万物をして生成化育なさしめ給ふ大元にして、人間は素(もと)より禽獣草木に至るまで有情と無情に論無く皆合歓の道よりして生成化育せざる無く、申さば造化の神業はこの合歓の道を以て万世無窮の定則となし給ふと云ふべき理(ことわり)なれば、たとへ如何なる論者ありと雖(いえど)も、造化生成化育の真理は必ず合歓より成れりと云ふは疑ふべからざるものなり。

 然ればこれを猥褻として厭ふは人為にして、かく伝へたるこそ造化の実なるを知るに足るべし。かゝる神秘の事をもその実をその儘に伝へ給へる神意の偽り無きを感嘆し、吾太古の伝説神典なるものは造化の真伝にして、人為を離れたる直筆なることを知るべし。
 然るにその深意ある所を知らずして、後世人為を以て作為したる書を見るの習慣よりして、かくの如き神秘の伝へを只に猥褻とのみ看過するは憐れむべき小眼に非ずや。天地間この神業あるが為に生成化育止む時無きものなることは、六大洲中の人間たるもの皆その保証人となるべきのみならず、禽獣草木に至るまで皆これが保証とはなるべきことにて、これぞ造化の真伝たる所以(ゆえん)なり。

 然ればこの御神業を以て万物の起源なりと云ふも疑ふ所あるべからず。実にこの道は大切なる神業にして、造化の秘術とも云ふべき程の重きことなるが故に、この道を濫りに為すが如きは道義を失ふの甚だしきものにして、造化の定則に背くの大罪なりと云はざるべからず。
 これ古へより賢者人を数ふるに、この道を濫りに為すべからざるを示し、言外に出すことをも慎む所以なり。かくの如き秘中の秘をも伝へ給へる神意を窺ひ奉り、謹んで以下の神伝をも講究すべきなり。

 然れどもこの時、両神合歓の道よりして国土を生み給ふと云ふ伝へに至りては、その道理のある所を窺ひ難きが故に誰人(たれびと)も疑問あることにて、他の学科の人は勿論、吾国学を以て自ら任ずる人に於ても近時に至りては、或は国魂神を生み給ふなるべしと論じ、或は国民の祖先を生み給ふならんと論じ、国土その物を生み給ふと云ふ明文に異なる説あるに至る。
 本居・平田両先哲等も正に国土その物を生み給ふと説かれ、服部中庸氏はこの国土を生み給へる時は最も小さきものなるを、幾万年をか経る間にかくの如き大なる国土となりしならんと論じたるを、平田先哲も然るべしと云はれたるに非ずや。
 故に余(よ)、この国土生産のことを謹んで深く講究し、漸くにしてその実を得たりと自信する所あるが故に、以下一家説を以て弁明せんと欲す。暫く人為を離れ、静思してその然る所以を知らるべし。後世人智の及ばざる程の不可思議の神術無くして、よくかくの如き天地組織の成るべきものかは。
 
 
 
清風道人
カテゴリ:天地組織之原理
 

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