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#00568 2018.12.12 |
生類の霊異(1) -概略-
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(清風道人云、幽界に通じる現界の鳥獣類は、人類よりも早く幽理の吉凶を知り、また色々なものに生を替え、或いは長生して霊物と化すものもあり、また幽界で使役されていたものが現界に神使となって出現し、種々の霊異を顕すことが日本古学に伝承されておりますが、昭和初期の心霊学者・岡田建文(けんぶん)大人の著による『動物界霊異誌』より、その実例を抄出して参りたいと存じます。 #0137【『仙境異聞』の研究(2) -山人・天狗・仙人とは?-】>> #0234【『幽界物語』の研究(4) -清浄利仙君の館-】>> #0245【『幽界物語』の研究(15) -幽界の動植物-】>> #0267【『幽界物語』の研究(37) -現界の生類-】>> #0350【『異境備忘録』の研究(35) -鳥獣の進化-】>> #0471【扶桑皇典(1) -人智の狭隘-】>> #0506【扶桑皇典(36) -狐狸-】>> #0507【扶桑皇典(37) -妖獣-】>> 以下は岡田大人による「緒言」であります。)
遺伝か天稟(てんぴん)なるものかは自ら知らぬが、幼童時代から虫いじり草いじり河せゝり等が無茶に好きで、年一年と大自然の懐に頭を突っ込む度が強くなり、十二、三の頃には四隣(しりん)静まった深夜に庭へ出て、星斗燦(さん)たる天象を仰ぎ、無限の感慨に耽(ふけ)ることが常であるやうになった。
かくて自然科学の熱愛者の卵として学生期を送ったものゝ、社会に飛び出る頃には、今まで畏敬の目標たりし科学の権威に、一抹の暗翳(あんえい)を投ぜざるを得ぬやうになった。それは、知人、隣保、縁家、自家等に現出したと云ふ者からの種々な怪異現象の話が、お伽噺の類ではなく、真剣の実話であると知った結果である。
一百日の間に九十七度出現した先妻の亡霊事件、古狸が小箱を空中で踊らせたり人語を為した事件、鋏(はさみ)を提げて下女を脅迫する妬婦(とふ)の幽霊事件、黄金の精魂が人形(じんけい)を現してその埋没せる土中の地位を告げ、次夜に土中から爆飛し去った事件等は、科学外の理法の閃(ひらめ)きなりと考へねばならぬ譯(わけ)であった。 幼時に耽読(たんどく)した『今昔物語』、『古事談』、『捜神記』、『列仙伝』などを、更に新たな考へを以て繙読(はんどく)し、また世の霊怪妖異談や心霊研究なるものをも攻究の材料として、真理研究の一端とすることになった。
結果は想像の如くであった。即ち吾々の現代の物理は、宇宙の大物理の末梢余塵に過ぎぬと云ふ観念の樹立であった。現界には時折り他界の物理力が湧起(ゆうき)するが、これは「神秘」の名を以て、古来一派の経験家や思索家が無条件に肯定した実在なるものである。 世間に「超科学」と云ふ語のあるのは真義ではない。総ては実在で一切は造化の理法である。
こゝに既往二十余年に積んだ体験や、同志の報告資料などの夥(おびただ)しい中から、神仙、死後の心霊事件、天狗、妖魅などを証明すべき事例を引用し、主として動物の怪異に関する事例を簡輯(かんしゅう)して、このたび郷土研究社の出版を煩はすことになったのは、吾人(ごじん)の喜びたるばかりではなく、現代科学者から抹殺に附せられつゝある真理の一部の救済であると信ずる。
昭和二年三月下浣(げかん) 帝都郊外百人町の寓居にて |
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カテゴリ:生類の霊異 |
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#00507 2017.12.2
扶桑皇典(37) -妖獣-
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猫もまた妖を為す物にて、その人語を為し、踊りを躍るなどいふ事は、普く人の知れる事なれど、死人を動かすは珍しければ、こゝにその一話をいふべし。
下総(しもうさ)国小金といふ地の辺りに栗澤村といふありて、その村に、独り者の老婆の亡(う)せしかば、近隣の人集まりて、野辺送りの事など語り合ひて在りしに、夏の暑中の事なれば、諸人、戸外に出でゝ涼み
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#00471 2017.4.25
扶桑皇典(1) -人智の狭隘-
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(清風道人云、この『扶桑皇典』は、明治三年に平田鉄胤先哲の許に入門して古学を学び、更に漢学や洋学も修めた後、帝国大学や東京師範学校の教授等を歴任された文学博士・物集高見(もずめたかみ)先生が著された、幽界の実在を立証する格好の文献といえます。世には博士や大学教授といった肩書や地位に縛られて、内心秘かに幽界や霊物の存在を認めつゝも、これを口にし得
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