現世人は疑ひ多くして信ぜず、かゝる事は世にはなきものと疎かに思ひたる人もあれど、その仔細は夜中一人往来の節深更(しんこう)に及び、山中にて天狗を悪しく云ひ譏(そし)りて試みるべし。その験(しるし)多くは速やかに来るなり。たとひその時来らずとも、一月を経ぬ間には来るものなれば、必ず何も云ひ且つせぬが宜し。(宮地水位先生)